たぶん5分かそこらしか寝ていないはず。はっと目を覚ますと、布団を持ってきてくれた弟が、俺が邪魔でテーブルを脇にずらせないで困惑している後ろ姿が見えた。慌てて飛び起きて、「悪い、寝ちゃった。」「あ、いいですよ。そのまんま、寝ててください。佑司さん本当にお酒弱いんですね」って穏やかな表情で布団を敷き始める。テーブルをずらしても、もちあげて横にしても足がじゃまでどうしても布団が重なり合う。微妙な空気。「頭と足、さかさまでそれぞれ寝ましょうか?」「いいよ、そこまでしなくて。大丈夫。信じてるから。」「えっ?」俺はしまったと思った。正直寝ている間になんか変な事されるんじゃないかっていう嫌悪感が、酔いにまかせて口からでてしまった。自意識過剰な発言だったと反省し、
「ごめん。はっきり言っておくけど、さっきタクシーの中で、指絡めてきたでしょ?あーいうのってなしだから。」「・・・・・・すんません。つい。」酔ってるから、つい意地悪になってしまい、「ついでに言っておくけど、俺、タイプの男って色黒でがっしりした筋肉質とかそういう奴なんで。」「そんな男のケツ掘って、姉ともやってるんすね。ホント最低ですね。」無表情でというか、売り言葉に買い言葉みたいな感じになってきて、「姉とはどんな感じでセックスするんすか。やってるとき、ホントは男のケツ掘ってるとこ想像しながら抱いてるんじゃないんですか?ほんと最低すね。やっぱし、姉に本当の事話しましょうか?」「・・・・結局そこにいきつくんだな。あーそうだよ、やってる時に確かに男とがっつりやってるとこ想像してるよ。それに掘られながら女みたいに喘ぐことだってあるよ。仕方ねーだろうが。気持ちいいんだから。それに、告ってきたのは彼女からだから。お前、姉をだしにして、俺とエッチしたいの?姉とエッチしながら他の男とエッチしてる俺を軽蔑しておいて、お前、俺とやりてーの?」酔いはさめていた。正直、どうでもよかった。このままばらされたら、俺はとりえあずこの家を飛び出して、野宿して朝になったら電車で一人で帰ろうと覚悟していた。「はい。俺佑司さんとやりてーす。抱かれたいです。お願いします。姉の彼氏さんとやるなんて、罪悪感すげー感じてますけど、どうしても佑司さんとやりたいす。」「お前、男とどんくらい経験あるの。」「5回くらいす。28のリーマンと4ヶ月付き合ってる時にあれこれやりました。」