今から10年くらい前。
中2の夏休み。
俺と優太と遼平は優太のオジサンの別荘に行った。
3人だけの泊まりにドキドキした。
近くには海がある。
電車とバスを使って、別荘に着いたのは午後1時過ぎ。
俺達は荷物を置いて、急いで海に向かった。
海に着いたらすぐに着替えた。
小さい頃からの付き合いで裸なんて見慣れているから隠さない。
みんなトランクスタイプの水着。
競争するかのように海に向かった。
ちなみに、俺は163、優太は同じくらい、遼平は175くらい。
みんな普通体型だ。
泳いだりしていると、一人の男が目に飛び込んだ。
鍛えられた体に焼けた肌。
そして何より際どいビキニタイプの水着。
若いライフセイバーだった。
他人のチンコが気になる多感な時期。
ライフセイバーの強調された股間に興味津々だった。
だが、今は遊んでいるんだ。
遊びに集中しなくちゃ。
そう思って3人で遠くまで泳いだ。
遠くと行っても20m前後。
運動が得意だから余裕。
そう思っていた時だった。
「いたっ!」
足にチクッとした痛みの後、痺れを感じた。
そのせいで変に力が入ったせいか、足をつってしまった。
「優太!遼平!」
もがきながら必死に呼ぶ。
近付いてくる二人。
ここまでかと思った。
まだ14歳になってないのに。
優太と遼平に追い付けないまま…。
そんな馬鹿なことを考えていた。
「大丈夫か!」
俺達以外の人の低い声が聞こえた気がした。
それからのことはいまいち覚えていない。
気付いたらベッドに寝かされていた。
「お、気付いたか」
横にいたのはあのライフセイバーだった。
「クラゲに刺されて溺れたのか?」
「その後、足つっちゃって…」
「あはは。まぁ気を付けろよ?つーか、保護者いないんじゃ危ないだろ」
「すみません…」
「よし。遊ぶならさっきの位置らへんで遊ぶこと。なるべく視界に入れとくようにすっから。友達二人にも言っとけ」
焼けた裸に白い歯が映える。
「わかりました!」
物分かりが良くて優しい人だ。
この人が俺の人生を左右するとは思いもよらなかった。