<続き>
サイクリングコースを少し入った所の茂みの影で、
2人で学ランを脱いで着替えました。
行楽シーズンも過ぎたこの時期の夕暮れ、
街灯も無いこの道に人が来ることはまず無いので、
誰かに見られる心配はありませんでしたが、
ランニングパンツは中にインナーがついているので、
下着も脱いでから履かねばなりません。
気恥ずかしいので、背中合わせになってお互い見ないように着替えました。
「似合うじゃん」
「先輩も」
振り返るとユニフォーム姿のタカユキ先輩が立っていました。
夕暗がりの中、鮮やかな青が目立ちます。
練習ではTシャツハーパン姿だったので、
いつもより露出の多い先輩にドキドキしました。
先輩は陸上選手のような細身ではなく、かなり筋肉質な方なので
ユニフォームはぴっちりと体に張り付き、股間はもっこりと膨らんでいます。
一方、俺はと言えばSサイズを着ているのにブカブカで、
ランパンの裾はスカートのように広がってしまっていました。
無言でしばらく薄闇の並木道を走りました。
静寂の松林に先輩と俺の呼吸と足音だけが響きます。
10月の夜の風が、露出した肩や太ももにヒンヤリと冷たく、
なんとも心許ありません。
しかし、流石に走るために作られた服だけあって、
軽くてこんなにも走りやすいものかと驚きました。