と、まあこんな感じで走り始めたんだけど、そのイケメン君に全く出会わない。
後ろからくる様子もないし、一周して元いた所に来ても、いないし。
「しまったー、ダウンしてたのかー」
そう思った俺は、今度金曜走る時はもう少し早めに来てみよう、と開きなおり、練習に専念することにした。
それから40分くらい走った。明日は休みということもあり、いつも以上に頑張ってしまった。
なかばヘトヘトになりながらコース脇にあった自販機に向かい、ポケットに忍ばせた小銭を出し、スポーツ飲料を買った。
キャップを空け、ぐいっとひとのみした時、奥の方から歩いてくる人影が見えた。
その人影がハッキリ見えた時、俺は飲んでたものを吹き出しそうになった。
あのイケメン君ではないか。
一体どこにいたのだろうか?
そんな俺の疑問をよそに、そのイケメン君はスタスタと自販機に近寄り俺と同じドリンクを買っていた。
その様子を俺はなんとなく見つめていると、ドリンクを取り出し体を起こした奴と、目が合ってしまった。
あ、まずい。
何故かそう思った俺は慌てて目をそらした。
ただこの時、俺は妙な感じを覚えていた。
普通に他人と目が合った時とは違う、何か向こうにも意思があるような目の合い方。
勘違いかもしれない、でも何もしないよりは・・・