「は、裸?」
「暑いからさ。それに気持ちいいし。優翔も裸で寝たら?」
「は、恥ずかしいし」
「男同士なのに?」
首を傾げる裕哉。
そうだ。
向こうはそんな意識してないんだ。
そう思うと何故か心が痛んだ。
俺はいつの間にか裕哉を好きになっていたのか。
いや、前から気になってはいた。
イケメンで文武両道だからってのもあったけど。
いつも一人でいる裕哉をカッコ良く感じていた。
俺は輪の中にいなきゃ自分が認識できないから。
自分がここにいるって思えないから。
裕哉は…一人でいるときに何を考えていたのだろう。
「男同士でも恥ずかしいけど。裕哉が裸なら俺も裸で寝ようかな」
裕哉の顔が赤くなった気がした。
俺も自分で言って恥ずかしくなった。
「明日の自由行動、一緒に回らない?」
「俺は一人でいいよ」
即答だった。
「そ、そっか」
少し怖かった。
「あ、裕哉はキスとかしたことあるの?」
俺は話題を変えた。
「まぁ…あるよ」
何とも歯切れの悪い返事だ。
「いいなぁ…。どこまでしたの?相手はそん時の彼女?」
「一応最後まで。相手はセフレだよ」
「セフレかぁ…」
聞かなきゃよかった。
胸がモヤモヤする。
「フェラとか入れたりとか、やっぱり気持ちいい?」
「そうだな。あとはいろんなとこ舐められたりとか」
「いろんなとこ?」
「乳首とか耳とか首とか。あ、尻とか玉も」
裕哉はそんなとこを舐められると感じるんだ。
「男も乳首感じるの?」
「まぁ…うん」
「そうなんだ…」
それからしばらく沈黙だった。
どれくらいの時間が経ったか分からない。
「寝る?」
俺が話しかけた。
「うん」
裕哉もそれしか返事をしなかった。
歯を磨いて先にベッドに潜ったのは裕哉。
もちろん裸だった。
「本当に裸なんだね」
「優翔も裸になれよ」
「…うん」
俺も浴衣を脱ぎ、ベッドに入った。
ベッドの中で向かい合う。
足と足が触れ合っては離れる。
「優翔は皮剥けんの?」
いきなりの質問だった。
「急に何だよ」
「いや、さっき見て。めっちゃ皮余ってるっぽく見えたからさ」
確かに俺は勃起しても半分剥けるか剥けないかだけどさ。
手で剥けばちゃんと剥けるし。
「剥けるよ」
「そっか…」
「裕哉は?」
頭がぼぉっとしてきた。
眠気が一気に襲ってきたのだ。
「剥けるに決まってんじゃん」
それから何を自分で言ったかは覚えていない。
とりあえず、次に目を覚ましたら朝5時30分だった。