※完全創作です。なので、視点が変わったりするかもです。苦手な人は回れ右でお願いします。
登場人物
源太…175*58*23
丈瑠…172*57*23
12月24日
イルミネーションで彩られた街をカップルが行き交う。
その中で俺は一人佇んでいた。
待ち人来たらず。
待ち合わせから30分は過ぎている。
連絡も無い。
何かあったんだろうか…。
俺は高校時代によく連んでいた同級生の丈瑠と待ち合わせをしていた。
俺は高卒で県外の企業に就職した。
丈瑠は今年、地元の大学を卒業し、就職したのが俺が住んでいるとこの近くだった。
丈瑠とはたまに連絡を取っていたが、会うのは卒業以来だった。
成人式の翌日には仕事だったから参加できなかったし。
寒空の下。
腕時計を見ながら溜め息を吐いた。
隣のベンチには若いカップルがプレゼントを見せ合ってイチャついている。
俺は隣に置いた紙袋に目をやった。
気に入ってくれるだろうか。
ちょっと高いマフラーとちょっと高い財布。
奮発し過ぎって思うくらい、安い買い物じゃなかった。
今までの彼氏にだってあげたことないくらいだし。
まぁ…渡す相手が来なかったら意味ないけど。
電話ぐらいよこせと、軽くイライラしながらケータイを取り出した時だった。
「源太、だよね?」
息を切らせた男性が目の前に立っていた。
その瞬間、自分は単純な男だと思った。
イライラしていた気持ちが一瞬で無くなった。
「遅れてごめん!明日の分までやってたから仕事長引いちゃって。ただ、ちゃんと明日休みもらえたよ!」
嬉しそうに話す男性は、少し大人になった丈瑠だった。
身長が伸びた気がする。
昔と変わらぬ少し長めの黒髪。
色白な肌。
顔付きが少し大人になっていた。
「源太、怒ってる?」
黙っていたせいか、恐る恐るといった様子で訊いてきた。
「いや、怒ってないよ。久しぶり…だな」
「久しぶりだね。源太、なんか昔よりカッコよくなったじゃん」
隣に座る丈瑠。
「お世辞言えるくらい大人になったんだな、丈瑠は」
チラリと隣を見る。
丈瑠はすごく寒そうだった。
CMでよく見る軽量ダウンの中にTシャツ1枚しか着てないんじゃなかろうか。
今がマフラー渡すチャンスか?
そう思い、紙袋を膝の上に乗せた。
続きます。