事前に情報を集めていた様で、近くの公園にたむろっていると、山あいに爆音を響かせながら一台の気合いの入ったバイクが走ってきた。
そこのトイレで良くしょんべんをしに立ち寄るとのことだが、こんなにタイミングよく来るものなのだろうか…と驚いた。
どうやら今から走りに行くのだが、その前にこの公園で用を足すのが習慣になっているらしい。
小便器の前に立ち、チロチロと出し始めた瞬間、俺と発起人の忠彦が両隣に立ち両脇を掴んだ。
「あぁ?なんやお前ら?」
イキがるヤンキーだが、ションベンは急には止まらない。身体を左右に揺らすたびに便器からはみ出るほどに散りまくる。
「龍二くーん、汚いから散らさないでよ。ちょいおとなしゅーしよーや。」
忠彦はヤンキーの耳元でドスを効かせながら囁いた。
ヤンキーは後ろにも複数いることで観念したのか大人しくなった。
「◯◯会の奴か?」
精一杯の虚勢を出しているが身体は震えていた。
「違うなぁ、でも何か思い当たる節とかないんか?」
忠彦の問いかけに「知るか」と吐き捨てた。
ヤンキーの後ろにいた同僚が勢いよくズボンを下ろす。
「何しとんじゃテメェ、お前らも放せぇや、お前らタダじゃ済まさんけーの。」
イキがるヤンキーに忠彦が「その格好で凄まれても…、ねぇ…。寧ろ縮こまってるのがバレバレなんだけど。」と半笑いで話した。
「お前誰なんや?マジ殺すからな。」
更に凄ぶるヤンキー。
「へー、じゃあ俺が先にお前を殺したらんといかんな、よーわかったよ。」
上の服も脱がせ、全裸状態で後ろ手で縛り上げると、足首も縛り、更に手と足を括った。
猿轡をしてそのまま軽トラに乗せると、ビニールシートで荷台を覆い暫く山道を走った。