>画面を見ると「宮本コウヘイ」と表示されていた。
「俺だ」
それは2年ぶりに聴く懐かしい声だった。
「宮本さ〜ん、久しぶりです、元気っすか?」
「うん変わりないよ、それより大丈夫か?」
「なにが?」
「なにがじゃないよ、ニュース見てお前のことが気になって、大丈夫か?」
別れてから2年も経つのに俺のことを心配してくれ連絡をくれたのだ。
俺は胸が張り裂けそうだった。
「宮本さん、、」そう言っただけで、あとの言葉が出てこなかった。
「どうした、元気か?」
「うん、、、」
「そうか、よかった、」
「うん、、」
俺は嬉しくて嬉しくて涙腺が崩壊した。
涙声になり鼻水をすすりながら「うん」それだけしか言えなかった。
「元気だせよ、」
「うん、、、」
「声聞けて安心したよ。」
「俺、、、会いたいよ、、、たまらなく、、」
「分かった。」
「あっ宮本さん、」
「ん、、、どうした?」
「あっ、いやなんでもないっす。」
「ちゃんと言え。」
「壊れそう、、、」我儘言いました。
「大丈夫だ、、弱気になるな、、」
「、、、、」
「落ちついたら連絡くれ、必ず。」
俺はなにも言えなかった。
それで終わった。
長いようで、短い会話だった。
それから頻繁に連絡を取り合った。
ただ宮本さんは土日が休めるとは限らないし運転中なら無理だ。
会える日が中々決まらず、
「早く会いたい。待ちきれない。」無茶なことも言って困らせた。
ある日「03−32××ー」から始まる番号から着信があった。
「ハイ、高木です。」
「高木ヒロトさん、本人で間違いないですか?」