>でも2年後には一人っ子の俺は地元へ帰らなければならなかった。
それは必然的に2人の距離が遠くなるという現実が待ってる。
別れの日が近づくと切なくて、会うたびに我儘言って困らせた。
でも宮本さんはそんな俺を大きな心で受け止めてくれた。
最後の日「また会える日を楽しみに待ってる。」
そう言い、熱いキスを交わしました。
駅までの会話が弾みません。
何を話したら良いのか分からずに歩きました。
新幹線のホームでハグをして、宮本さんの温もりを感じながら乗車しました。
新幹線がトンネルに差しかかると
思い出が走馬灯のように頭を過り不意に涙がでてしまった。
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あれから2年という年月が流れた。
最初は宮本ロスに陥り苦しく、声を聞きたがったが、
声を聞けば甘えて会いたくなる、の繰り返しになってしまう。
それに直ぐに会える距離ではなかった。
ようやく地元での生活にも慣れ、友だちもでき忙しい毎日を過ごしていた。
その年の6月、俺の住んでいる地域一帯が何十年振りという自然災害に遭った。
幸いにも俺の家は被害を免れたが、危険と判断され避難所生活を余儀なくされた。
周りに気を遣いながらの生活はフラストレーションをが溜まる。
ようやく設営された風呂に入ることができた。
風呂上がり一緒に避難した2匹のワンコとの散歩中、着信があった。
画面を見ると「宮本コウヘイ」と表示されていた。