次の日、俺はユウト達やリョウと顔を合わせることができず、ほとんどぼっちのような状態で1日を過ごした。
「コウキ」
その日の行程が終わり、ホテルに着いて自分の部屋に戻る途中で、ユウトとソウマの2人に声をかけられた。少し離れたところにリョウも立っている。
「えっと、、ごめん」
ユウトはそう言って謝ってきた。
「コウキは何も知らなかったのに、いきなりあんなの見せたらショックだよな。リョウを友達と思ってたなら、、なおさら、、」
「おまえら、リョウが嫌がってるのに無理やりやってるってことはないよな?」
「それはない。絶対にない」
「ならいいけど、リョウのことも考えてやれよ。俺があいつを相手にしてたら、3人連続でやらせることになってたんだろ」
「うん、、」
「とにかく、あいつのこと大事にしろよ」
リョウは、どういう感情なのか、少し赤くなった顔で俺を見ていた。
それから、俺たちは普通の友達付き合いに戻った。と言うか、普通の関係を必死に演じようとしている感じだった。
とくに俺は、あの日以来、リョウとは当たり障りのない会話しかできなくなっていた。
男に抱かれて喘いでいるリョウの姿を、どうしても忘れることができないのだった。
リョウを目の前にすると、あの時のリョウの顔や声が頭によぎってしまう。
家で1人でいるときに、リョウの姿態を思い出してオナニーしてしまうこともあった。その時は毎回、リョウの体を激しく抱いている光景を想像しながら射精した。
何とかしてあいつを忘れなきゃと思い、知り合いの女子生徒を通じて、ヤれる女を紹介してもらった。だが何人とセックスしてもリョウのことは頭から消えなかった。終わった後にいつも「リョウはこんなんじゃない」と考えて、異様に虚しくなるのだった。
俺は無意識のうちにリョウと似ている女を探していることに気づいて、愕然とする気持ちになった。リョウを忘れさせるほどの顔の女は、どこにもいなかった。
こんなに苦しいなら、早く高校生活が終わってほしいとすら思った。
「なんでおまえ、あんなきれいなんだよ」
ある日の夜、自分の部屋でリョウを思い浮かべてオナニーしながら、俺は1人でそう呟いた。
【続く】