でも、なんだかおかしい・・。戻ってきた人は自分の布団に行くのでもなく、僕が寝ている布団と、横のタケルの間に、スッと入り座って横になったみたいなんだ。ん?なんで?自分の布団間違えてるんかな。きついし・・暑い・・
寝ぼけてんのかな・・自分の布団に帰ってもろう、そう思って起こそうとした瞬間だった。
力強く温かい腕が、ふわっと僕の腰にまきついてきたんだ。
え?
一瞬僕は何が起きたのか分からなかった。
でも、なんだかここで起きてはいけない気がしてしまい、自分はそのまま寝るふりをしたんだ。
腰に回った手は、そのまましばらくじっと僕の腰を包み、僕が起きないか反応を見ているようだった。10秒くらい、僕が動かないことを確認していたんだろうか。
今度は、その人の体が、僕にぴったりと密着してきた。僕がくの字で寝ている感じなら、その人も腰のところで体を曲げて、僕の背中にその人、というか、その時にはちょっと汗臭い男くさい臭いから、男なことは分かっていたんだ。僕の背中にその人の胸が密着し、僕の腰には彼の局部がぶつかるような体制だった。
僕はびっくりして、何が起きているのか分からなかったけど、そのままぎゅっと目をつぶって、寝たふりをしてやり過ごそうと思った。