2024年12月25日
平日なのに東京駅は大混雑だった。
僕は地元に帰る彼を見送りに来ていた。
ここでいいよ
彼は言った。
『ホームまで送るよ』俺は言った。ちゃんと見送りがしたかった。
いいよ、ホームでの別れって苦手なんだよ。どんどん離れていくのが…なんとなく…
彼はそう言うとスーツケースを転がしながら改札方面に歩き出した。
『分かった…ありがとう』
それはこっちのセリフなのに
と彼は笑った。
そして、彼は綺麗なお辞儀をしてお礼を言った。僕ももう一回ありがとうと返した。そして彼は手を振りながら改札の中に消えていった。
彼と過ごした日々は僕の大切な、とても大切な思い出だ。後悔はない。今後、もう会えなくなったとしても、一緒に過ごした日々は生涯忘れないと思う。
東京駅の丸の内中央口から出た。外気が顔を直撃する。さっきまでの高揚感が一気に冷えていくようだ。
こんな寒い中、駅舎をバックにウエディングフォトを撮っている人たちがいる。僕もいつか誰かと一緒にこういう写真が撮れたらいいなとガラにもない事を考えた。
そんな事を考えて立ち止まっていると、向こうから真っ直ぐ僕を見ながら歩いてくる人がいた。
【終わった?もっとゆっくり別れのキスとかしてても、俺は良かったけど(笑)】
しんじさんが屈託ない笑顔で言った。丸の内にぴったりのいい男だ。
以上で終わりです。
つい最近の出来事を忘れないうちに早く書いておきたくて、多少文章が変なとこもあると思いますが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。