しんじさんと出会ったのは、今年の1月だった。
ケイタくんとの再会をしたクリスマスの日から、僕も恋人が欲しいと思うようになり、アプリを再開したのだった。
最初は嫌な出会いもあったし、そもそも会うまでに至らない出会いもたくさんあった。そんな中でしんじさんとはメッセージを1ヶ月程度やり取りをして、会ってみようということになった。
しんじさんは近所に住んでいる、僕より年上の44歳。話題もノリもいい、そして所々で頼り甲斐のある年上って感じだった。
メッセージを続けていくうちに、意外に近くに住んでることがわかった。自転車で行けば10分程度、歩けば20分くらいのとこに住んでいる。
最初はお互いの家の中間にあるカフェで会う事になった。
お互いに写真は雰囲気しか載せてなかったから、カフェの前の道で、どの人だろう?ってドキドキしたのを覚えている。
詐欺写真だったらどうしよう…なんて考えていると、チノパンにシャツに高そうなコートを着たいい男が声をかけてきたのだった。
【ジンくん?だよね?】
『しんじさんですか?』
最初はこんな感じで出会った。
服もビシッとキマッていたし、スタイルも44とは思えないくらいシュッとしていた。見た目は、特に意図はないけど…今話題の兵庫の知事に似ている。彼をもう少しフレッシュにしたような感じがしんじさんだ。
仕事ができそうな感じは、とてもよく似ている気がする。贔屓目なのかもしれないけど。
その後は、しんじさんとお互いの家を行き来するような関係になった。
彼の家はいわゆるタワマンで、中層階で景色はすごい…とまではいかないけど、内装はさすがに豪華だった。以前は結婚してその家で家族で住んでいたらしいけど、今はしんじさん1人で気楽に住んでいるらしい。