隼が吉川さんの家から帰ってきた。
私と目が合うと、少し気恥ずかしそうに肩をすぼめながら
「また、春ごろに帰ってくるって言っていました。」
と笑顔で話してくれた。
素早く台所の片付けに入った隼は翔がまだ朝御飯を食べていない事に気がついた。
布団を剥いだ所、裸で乱れた姿の翔を発見した。
「え?」
隼が固まる…が、一瞬で状況を把握した。
ぐったりとしている翔を揺さぶって起こすと、
「早くシャワー浴びてきな。」
隼の語尾は少し強かった。
無言で起き上がると足早に風呂場に向かった。
私が車に荷物を載せていると、いつの間にか隼が手伝ってくれていた。
社の修理もお願いされているため、ちょっとした大工道具なども積むため、後部座席の足元にも荷物を積んだりと、普段よりも準備に余念がなかった。
少しぼんやりとした感じの翔がふらーっと現れると、雲をぼんやりと見上げていた。
準備が整い、吉川さんに挨拶をすると、車を出発させた。
翔は高速に乗った辺りから首をグッタリと倒して眠った。
終始無言だった隼が私に話しかけてきた。
「翔とエッチしたんですか?」