4日の朝、感謝と謝礼をお渡しする為、吉川さん宅を訪れた。
吉川さん宅では近隣の農家の家族総出で七草をパッケージしている所であった。
これもまた毎年の恒例行事であった。
昨年まではお手伝い出来なくて心苦しい状態であったが、今年は隼と翔が手伝いたいと手を挙げてくれたため、私は神社に帰った後も少し気が楽であった。
その間に様々な地域の団体が集団で参拝されるため、私はその対応で奔走していた。
特に空手の団体が裏の河原に半身浸かり初稽古をしたいとの申し出があり、焚き火や仕出しの場として境内を提供するととても喜ばれた。
特に凍える子ども達がホッコリした笑顔で豚汁を啜る姿はとても可愛かった。
6日の夜には吉川さん宅にて夕飯を頂く事になった。
そこでは隼と翔の3日間の奮闘ぶりを何人もの大人から聞かされた。
本人たちもとても嬉しかった様で、照れながら限界点を当に超えた食事を更に口に運んでいた。
感謝を述べ3人で帰宅した。
帰路にて隼から明日の朝に葵ちゃんが帰ることを教えてくれた。
朝、見送りに行かないのか?と尋ねると、「良いんですか?」と聞いてきたので、『ここはダメだと言われても行くってのが正解なんじゃないのか?』
と言うと、「ありがとうございます。」とスキップをしながら先頭を行った。
帰宅後、2人に明日からまた『副業』に出かけることを伝えた。
隼は少し身構えて「はい」と答えた。
翔は「あ、はい、わかりました。」と、少し気が抜けた様な返答であった。