本音を見せない後輩
1ヶ月くらい経過して、同行の車内でも会話が増えてきて、あつしも気を許してきている時期になってきた
まだ、他の同僚やお客先に一人になってしまった時は、かなり緊張している様だ…
俺が戻ってくると、不安が解けニコッとした顔で、まるでご主人を見つけた愛犬の様に近づいて『どこ行ってたんですかw?』みたいになる。まあ、あんな可愛らしい顔で近寄ってくると、俺も悪い気はしない。むしろ、あつしの可愛さにドキッとする時がある。
ある時の車での移動中の会話で、そろそろもう少し掘り下げて話をしてみようと試みた…
俺 『もう、関西は慣れたん?』
あつし『まだ、慣れないですよ…人も多いですし』
俺 『休みの日はどうしてるん?』
あつし『… 買い物とかですかね…まだ生活用品揃って無いですしw』
俺 『彼女も楽しませなあかんしなぁw』
あつし『……』
俺 『あれ、お前彼女は?』
あつし『…… … ..』
ちょっと困惑した顔をしている…
あれ?俺、地雷踏んだ?
あつし『○○さん(※俺のこと)こそ、彼女といつもおでかけですか?』
こいつ自分の事を言わず俺に話題すり替えてきてる…
実は俺はカミングアウトはしていないが、男にしか興味が無い…。そして彼氏がいて、週末はいつも俺の家に来るか俺が彼氏の家に行っている。
俺 『あぁ、いいとこあれば買い物行ったりとか、飯食いに行ったりとか、GWは旅行行くしなぁ…』
あつし『どんな彼女さんなんですか?』
こいつ、俺にフォーカスあててきてるな…
なんとかあつしに話を持っていきたい…
俺 『お互い酒飲むの好きやしなぁ、休みは大概昼から飲み歩いてるわ…』
俺 『お前、もしかして…北海道に置いてきた?』
俺 『こっち来るのに、別れたとか…?』
あつし『… いや、今はいないっすよ…』
俺 『なんや一人かぁ、好きなやつはおらんの?』
あつし『… 今はいないっすよ…』
あつし『それにこっちに友達いないすよ…』
俺 『一人は寂しく無いん?』
あつし『…別に…寂しくは無いですけど…』
俺 『お前、もしかして童貞かぁ?』
あつし『… …』
少し濁した顔して…
あつし『違いますよ…』
俺 『正直に言ってみ…恥ずかしい事ちゃうし…』
あつし『…内緒です…』
俺 『何が内緒やw 怪しいやんけw』
あつし『… …』
俺 『風俗、付き合ったろかw?』
あつし『…○○さん、彼女いるじゃ無いですかw』
まあ、こんな具合でなかなか本音を出さない様だ…