約束の時間ちょうどに玄関のドアがノックされた。「どうぞ」と扉を開けると絆創膏が貼られたそうたの顔が。「大丈夫?」「え?」「いや、顔がさ」「あ、擦り傷なんで」そんなやり取りをしながら部屋の中へ。
「この度はすいませんでした」と頭を下げる。
暫く沈黙のあと、俺が切り出す。
「で、そうたくん、今後はどう対応していくか何か考えてきたの?」
「はい、これ」と封筒を俺に手渡す。
「開けていい?」と了解を得て開けると1万円札が。
「え、これは?」
「これで許してもらえませんか?」
「そうたくん、俺はお金がほしいわけじゃないんだけどこれで許してくださいはないよね。」
「駄目ですか?」
「いや、流石にこれじゃ。病院代にもならないよ!スーツも買えないし」
そんな時にテーブルにある病院の領収書をみて
「病院行ってきたんですか?」
「そんなビックリしなくても、何かその言い方は怪我の心配というよりは違う心配してる感じだね。自分で転んだって言ったから安心して。」
「どうしたら許してもらえますか?病院代とスーツ代を弁償するばいいですか?」
「それは最低限だね!そうたくんは今18歳だからもう未成年じゃないよね。覚悟して来たんじゃないの?」
「覚悟?」
「そう、覚悟を見せてくれないと」
「覚悟って何をすれば」
「そだな、例えばいま全裸になれる?」
「え、全裸って裸ですか?」
「そう、裸になれないでしょ、恥ずかしいでしょ、そういうことを出来るかってことが覚悟だよ」
「慣れますよ、裸になればいいんですね」と言いながらそうたは服を脱ぎ始める。