(一) 郷田さんのチンポ
「今日のメニューはこれでおわり〜」
スクワットのメニューを終えて、ランニングマシンで有酸素運動していたトオルが、更衣室へ入って行く。
トオルがジムに通い出してから2週間ほどたつ。
中学の頃からスポーツは嫌いではなかったが、高校生になってから運動不足を感じ、帰宅組だと肩身が狭いし、それでジムに通うことにしたのだ。
雑居ビルの3階にあるジム。中に入ると小さなカウンターがあり、受付に事務兼トレーナーの川井由美がいる。
午後のジムは会員さんもあまり来ないようで、来るのは近所の常連のおじさん、おばさんたちが多い。
ジムの奥にある更衣室にはシャワールームとタンニングルームが備わっていて、トレーナーの由美さんが毎日掃除して管理している。
更衣室に入ったトオルがシャワーの用意をしていると、
先にトレーニングを終えた郷田さんが、シャワー室から出て来た。
彼はこのジムの常連のおじさんだ。近くの中華料理店のコックさんで、昼間は欠かさずジムに来ている。
「おっ、トオル、今日はもう終わりか?」
頭髪はほとんどない。長年の筋トレで鍛えた太い腕がたくましく、タオルでも隠せないほどのぶっとい二本の大腿四頭筋も波打っている。
「はい、今日はスクワットだけだったので、早く終わりました」
トオルはスポーツバッグからバスタオルを取り出して、シャワーブースへ向かおうとした。
「わっ、郷田さん、見えてます」
ブースの前に、まだカラダが濡れたままの郷田のおじさんが、タオルで隠そうともしないで、下半身を丸出しにして立っているのだ。
「おっ、そうか。見えてるか?まあ、いいじゃないか、オトコ同士だろ、ちょっとぐらい見えたって」
そう言って、フリチンで仁王立ち、気にもしていない様子。
郷田さんの発達した太ももの筋肉のすき間から、顔をのぞかせている立派なペニス。少し前を向いていて、男らしい。
トオルもつい目が吸い付けられてしまう。
「なんだ、トオル。そんなに珍しいか?オレのチンポ?」
「いや、そんなことは…」
「だろ?そうだよ。ちっとも珍しくはねえよ、ふつうのチンポだぜ」
そう言いながら、タオルで禿げ頭をぬぐっている郷田のおじさん。
でも、郷田さんのペニスは、トオルのモノよりも、ずっと大きく、ずっと太く、包皮もずっと下までむけているのだ。
「なんだよ、そんなにジロジロ見るなよ。そんなに見たいんなら、トオルのも見せてくれよ。それで、おあいこだ、はははっ」
冗談とも本気ともつかないことを言うと、郷田さんは、
前に立っていたトオルのバスタオルを腰から足元に引き下ろしてしまったのだ。
「わっ、郷田さん、なにするん…」
「はははっ、冗談のつもりだったんだけどよお。勝手にバスタオルが落ちたんだろ、はっはっはっ!」
と笑いながら、むき出しになったトオルのペニスをしげしげと見ている。
「ほう、これがイマドキ高校生のチンポか。なかなか立派じゃねえかよお」
郷田のおじさん、前かがみになって、禿げ頭を近づけて来る。
「あっ、そんなことないです、郷田さん」
「そうだなあ。皮がまだ全部むけ切ってねえな、半包茎ってとこか、この状態だと。あともう少しで、きれいに包皮がむけて、亀頭が出て来らあ」
真面目に言っているのか、不真面目に言っているのか、ただ、
はっきりわかるのは、郷田さんのペニスが、いつの間にか半立ちに勃起しているのだ。
「あっ、郷田さんの、立ってる…」
そんなトオルの視線も気にせず、
「トオル、少しずつでいいから、今日から包皮をむく練習をするんだぞ。筋トレと同じだ。そうしたら、来週にも包茎とはオサラバだぜ、はははっ」
そう言い終わる前に、もう郷田さんの手はトオルのペニスをつかんでいる。
「ふむふむ、トオル、少し痛いか?」
「うっ、ううん、そうでもないです」
トオルは腰を引き気味に答えるが、何とも言えない快感が半むけの亀頭の先に走った。
「ちょっと、オレが皮をむいてやるか」
郷田さんの大きいカラダがトオルの背中に回ると、後ろから右手を伸ばして来た。
その時、
いきなり更衣室のドアがバタンと開いて、トレーナーの由美さんが入って来たのだ。
……