次の日の朝はケイタくんの方が早く起きていた。パンを焼いて、目玉焼きを作って僕の大好きな紅茶を淹れてくれた。
甲斐甲斐しく世話してくれる姿に昨日の出来事を重ねて、あんな事をしてしまったのか…と年甲斐もなく恥ずかしかった。
その日の夜もケイタくんは僕の布団で寝た。寝る前に口で抜いてくれた。次の日も、その次の日も寝る前に口で抜いてくれるのが習慣みたいになった。ケイタくんのバイトが次の日休みの夜はSEXをするのが定番になっていた。
最初はダメだと思っていても慣れると罪悪感が無くなるものなのか、僕はケイタくんをいろんな体位で犯して、毎回中出しするのがデフォになっていた。
そんな生活が1ヶ月ほど続いた。僕はケイタくんの事が大好きになっていた。ケイタくんも僕の事を好きだと言ってくれていた。付き合うとか付き合わないとかを口に出した事はないけど、恋人気分で過ごしていた。
休みの日は二人でデート的な事も楽しんだ。制限があったから、家でご飯を作って食べたり、家で映画を見たり、二人で深夜散歩をしたり楽しかった。
楽しかったけど、少し気になる事も増えた。それは、ケイタくんの金銭感覚だ。僕のマンションがある土地柄なのか、高級と言われるスーパーが多い。
自然と買い物は近くのスーパーでとなると食材の買い出しだけで1万円くらい使う事も多々あった。
僕と一緒に買い出しに行く時はそれでもいいが、ケイタくんは一人の時でも自分のお金で高い弁当を買ってきたり、出前を頼んだり、コンビニでも当たり前のように2千円くらいの買い物を頻繁にしていた。
バイト代も貯金をしなさいと言っていたが、欲しいものがあれば後先を考えずに買い物するようになってしまい、貯金は10万も貯まっていなかった。
ある時、こんなんじゃ一人で暮らしていけないよ?と僕が言ったら「じんさんがいるから大丈夫!!」とあっけらかんと答えた。
僕はその日から考えた。僕はケイタくんの人生を背負って生きていくことができるんだろうかと。
出会った時のケイタくんは少しの買い物でもありがとうございます!と言っていた。1パック600円の牛乳を買った時はもっと安いのないんですか?と本気で心配そうだった。
そんな純粋だったケイタくんを壊してしまったのは僕自身だ。
なんて事をしてしまったんだろうと僕は後悔した。
そんな事を思うと、ほぼ毎日抜いてもらっていたのも断るようになった。ケイタくんは「なんで?今日はいいの?」と不思議そうだった。