「地元の高校じゃないんだね。」
「はい、頭悪いんで。」
「それでわざわざ遠い高校まで通ってんだ。大変だね。」
「でもたいぎいんであんま行ってないけど。」
「家は?」
「…、…、◯山町…」
僕はまたヤンキー君のアナルに中指を入れると根本まで差し込んだ。
「うぐわぁ…いった…痛い…痛いです。」
「今の何の間?」
「はい、すっ…す、す、すいません。」
「だーかーら。何の間だったの?」
「いや、別に…」
「何?一瞬嘘吐こうとか思っちゃった?」
「いえ、そっ…そんなことは…」
僕は指をクネクネと動かす。
「あっ…辞めて…ほんとにやめて下さい…お願いします。」
「なら何についても直ぐに答えないとね、わかる?」
「あぐっ…はっはい、わかります、わかりました。」
「わかれば良いんだよ。」
僕は指を大きくクルリと回すと指を引き抜いた。
「あがっ…」と言うとブブブッとオナラが漏れ出て臭いが立ちこもる。
僕は少し冷静になり、アナルに指を抵抗なく突き刺していること、汚い場所だと思い返した。
その場を少し離れ、洗面台で指を洗う。
茶色い汁が付いていることでドン引きしていると、ヤンキー君の方から物音がした。
逃げようとしたのだろう、頭の後ろから何とか足のロックを外した様だが、そのために巻きついている紐がヤンキー君の首を容赦なく絞めあげて窒息しかけている。
何とか足を頭に近づけて気道を確保したようだが、見ていてとても滑稽だった。
「龍二くん、何してんの?」
足を元の位置に戻してあげると、息を荒げ咳き込んだ。
「ゲホゲホッ…ありがとう…ございました。」
「何、死にそうになってんの?」
「首が絞まって…」
「足が外れて首が絞まっちゃったから目隠しされてわかんなかったか。」
「はい…」
「苦しかったね。大丈夫?」
「はい、ありがとうございます。」
「でも何で足が外れたの?逃げようとした?」
「…」
この質問には返答できず、しばらく沈黙していた。