続きが気になります!
▼翔さん:
>部長を先頭にランニングしながら大阪の高校まで行った。
>都会の喧騒にやられ、斜め上を見上げながらのランニングになってしまった。
>武道館に着くと、既に響達は到着して大阪の高校の部員達と話をしていた。
>顧問が駆け寄り挨拶をすると、部長となぜか俺も呼ばれた。
>
>顧問「今日から2日間、よろしくお願いします。
>こいつらまだまだなんでビシビシお願いします。」
>「よろしくお願いします。」と、部長と僕は声を合わせて挨拶をした。
>半笑いで僕を見る響が岡山の部長に小声で「こいつです。」と指を指して話している。
>響「翔くん、よろしくね。」
>そう言いながら両手で丁寧な握手をすると、それを切っ掛けに3校の部長達が握手を交わし始めた。
>
>部員達の元に帰りながら…
>顧問「そうそう、翔、部長になる覚悟が決まったらしいな。」
>翔「え?(なんで…)」
>部長「本当か?そりゃ次の代は安心して任せられるな。」
>顧問「実は今朝、岡山の高校の顧問から聞いたんだよ。
>あちらも次期部長に悩んでいたらしい…さっきの響君だったか?
>彼から朝一番で『次期部長の件、僕にやらせて下さい。』と言ってきたらしい。
>詳細を聞いたら昨晩お前と話をしてお互い覚悟を決めたんだと聞いてな、俺は嬉しかったよ。」
>部長「そうなんか、いつの間に。」
>翔「はい、実は先生と部長にその話をしようと思っていたのですが、今は出稽古に集中するべきだと思って。
>今晩か、または明日の帰りのバスの中で話そうかなと思っていました。
>でも響に遅れを取ってしまいましたね。
>先日、先生と部長から打診された部長の件、僕には部長程の力もなければ統率力もないかもしれません。
>纏め切れるか不安なことも事実ですが、それでも僕は精一杯頑張りますので、次の部長を任せてもらえないでしょうか?」
>顧問と部長はお互いを見合って笑い始めた。
>部長「お前がやるとかやらないとか悩んでいるのは知っていたけど、俺も先生もお前以外考えていなかったから、何を今更って感じだ。
>でも翔からそんな強い言葉で意思を示して来るとは思っていなかったから少し驚いたよ。」
>顧問「本当にな。じゃあ次期部長は頼んだぞ。」
>そう言いながら顧問が僕の左の肩を、部長が右の肩を叩いた。
>僕は力強く「はい!」と答えた。