「おはようございます。」
爽やかな朝の日差しと風に当たっていると吉川さんが朝のお参りにやって来た。いつもながら熱心な方だ。
「昨日、テキパキと働く少年がいたんだけど、お弟子さんを取ったの?」と聞かれた。
確かに人手不足の神主の未来は暗い。その意味では神主になってもらえるなら嬉しいが、隼には助手をしてもらっている次第だ。そこまで求めるには酷な話しだ。
『はい、そうです。』や『そんな所です。』と答えたかったが、隼の未来の選択肢を考え「そうであってくれると良いのですが。」と答えた。
「今日、息子家族が帰って来て収穫を手伝ってくれるのだが、それでも手が足らない。もしも中村さんが良ければ彼にも手伝って貰いたいのだが。」
「農業に勤しんだことのない子供で、先日足を挫いたばかりの奴ですが、力になれますでしょうか?」
「収穫の時期は猫の手も借りたいんだ。それに昨日の働きぶりを見たら是非とも力を貸してもらいたい。」
やはり人は人を見る。たった1日の間に隼は吉川さんの眼鏡に適う人間になったのだ。
「そこまで仰って頂けるなら、彼の社会勉強の為にもよろしくお願いします。隼といいます。朝ご飯を食べたら直ぐに伺わせます。」
そう言うと喜んで家に帰って行った。
入眠中の隼の隣に座る。布団をはだけるとやはりTシャツのみで下半身は何も着ていなかった。
朝立ちが重力に逆らって斜め上に伸びている。
優しく皮を剥いてあげると右手に唾を吐き、亀頭を中心にゆっくりと撫で回した。
「うーん…」少し体を動かすがまだ起きそうにはない。
左手で皮を下ろして根本で固定すると、右手をピストン運動させた。
「うぅぅ…ん…あぁ…え?おはようございます。」
ビクッと反応しながら隼は目が覚めた。
「早よ起きんかぁ、馬鹿たれがぁ。」
「あぁ、すいません、すぐ準備します。」
そう言うとパンツを履いてトイレに駆け込んだ。
朝ごはんの準備をしていると、勢いよく流れる小便と、その後でバタバタと急ぎ駆けずり回っているのがわかる。
「気持ち良い目覚めだな。」そう言うと「また意地悪な質問ですよ…でも、気持ちが良くて目が覚めました。」と不貞腐れながら歯に噛んでいる。感情が忙しい奴だ。
「門前にお住まいの吉川さんから収穫のお手伝いを頼まれて、隼をお借りしたいと言われたんだが、大丈夫か?」
沢庵を食べながら尋ねると、「僕なんかで力になりますかね?」と言うので…
「本来なら俺が手伝う所を、私の代わりに隼が手伝うんだ。この意味がわかるか?」と問うと、背筋をピンと伸ばして「全力で頑張ります。」とハキハキと答えた。
慣れない農作業に向かう隼に、少しでも所在が目立つ様にピンクのみきゃんTシャツを着て行く様にうながした。
隼を吉川さんの家の前に下ろすと、私は車で近所の大型スーパーに買い出しに出かけた。