部屋に戻り、ベッドに腰掛けると、私が思う彼の印象を伝えた。
サイトに掲載していたが、恐らく何の経験もない。本当は身体を売りたくはないであろうこと。
衣食住に困ったが他に金を稼ぐ手段がなく、震えながらここに居るであろうことなどなど…。
彼は「すいません、仰る通りです。経験…ありません…。こんな僕じゃ○○(神主)さんを満足させれませんよね…。」と、ベッドの間に座り込んで下を見ながら力なくボソボソと話した。
「でも、全力で頑張ります。何でもしますから、どうか相手をして貰えませんか?」と、私の足元にすがる様に近寄ると、私の股間を触ってきた。
「フェラします。」と私のベルトを外そうと焦る様子。
「ちょっと待って、俺の話したいことはこう言う事じゃない。」
そう言うと、私は彼に私の仕事や身の上の話をしました。その上で…
「君が良ければ、私の仕事の助手をしないか?衣食住は俺と共にすれば良い。日当はその分を差し引かせてもらうとして、5000円でどうかな?そのかわり、全国を車で一緒に回ることになるから直ぐにはここには戻って来られないよ。」
と話すと、ポカーンとして反応がない。
部屋の冷蔵庫の音が気になるくらいの静寂に私も戸惑っていると、「え?雇って貰えるって事ですか?」と1分程度掛けて考え抜いた上の発言だった。
「雇う…なんて大それたことはできないよ。休みもあるわけじゃないし、ましてやいわゆる有休なんてあげられないしね。それと…思っている以上にキツい仕事かもしれないよ?だから無理にとは言わないから、今夜はしっかり考えて、明日の朝にここを発つまでに決めてくれたら良いよ。そもそも俺は気ままな一人旅だからさ。」
「ありがとうございます。むしろお願いします。
ご飯を頂けるならそれ以上のお金は要りません。むしろ○○(神主)さんの仕事のお手伝い、させて下さい。」と、目を輝かせて私の手を握ってきた。
「なら明日からよろしくね。あと、お金はあるに越したことはないから貰っておきなさい。でも本当に良いの?よく考えて決めても良いんだよ?」
「僕、○○(神主)さんと一緒に仕事をしてみたいです。何でもがんばりますから、よろしくお願いします。」
「なら決定だ。これからよろしく。もしも辞めたくなったら、引き止めたりしないから何も言わずに辞めるのではなく、必ず辞めたいと話してくれ。これだけはよろしく頼むよ?」
「わかりました。へばって困らせない様に頑張ります。でも使えないと思ったらクビにして下さい。あ、でも僕は喰らい付いてでも仕事頑張らせてもらいます。」
「わかったよ。じゃあ今から温泉に行こう。」
そう言うと、私もボクサー1つになり浴衣に着替えた。
「お供させて頂きます。お背中流させていただきます。」
笑いながらそう言うので、2人で笑いながら温泉に向かった。