文章下手ですがご了承ください。
今年のある日、数年間会っていなかったある人(Aさん)からご飯行かないかと連絡があった。その人は僕が飲み屋さんでバイトしていたときのお客さんだった。
自分が働いていた飲み屋さんははいわゆる観光バーで、来るお客さんのほとんどがストレート。まれに男好きっぽい人が来るけど(見た目じゃなくて雰囲気で)そういう人に対してあなたはゲイですかと聞くのはタブーであった。
自分にとってそういう場所は初めてで、右も左も分からない、お酒を飲んだこともないし知らない人と会話したこともない。そんな自分が初めについたお客さんがAさんだった。
Aさんは優しくてカッコよくて面白くて、すぐに好きになってしまった。失礼なことをしてしまっても、話が下手でも気が利かなくてもいつも優しく接してくれた。
約1年半そこで働いていたが、Aさんに自分が付くことは多かったと思う。ずっと優しくしてくれるからますます好きになってしまい早く告白したいと思っていた。
だけど問題があった。Aさんはよく店に来るけど彼が男好きかどうかみんな分からなかった。結局、自分の想いは曖昧な形でしか伝えられず、お店のルールでお客さんと個人的に仲良くなりすぎてはいけないみたいなのがあったから、それ以上の関係にはなれなかった。そしてそのまま退職した。
あれから数年が経った。当時のことを忘れたわけではないけど新しい生活も始まって忙しくしていた。そんなある日、食事に行かないかと連絡が来た。なんで急に?、もう忘れているんじゃないの?と思った。でもせっかく連絡してくれたんだしと半分乗り気じゃなかったけど会うことにした。
食事したあとは当時働いていた飲み屋さんへ。久しぶりだったし、Aさんはノン毛と割り切っていたから色恋はしないと決めていた。当時の仲間からも絶対色は無いからあまり突っ込んだことはしないでねと言われていた。けどいろいろ会話していくうちに自分の中で、やっぱりこの人が好きなんだなって思ってしまっていた。それでもなんとか自制し、好きだという感情を抑制した。
初めは終電で帰る予定だった。でもAさんの隣に座ってみんなと話しているとだんだん楽しくなってしまって、結局朝の3時に出ることに。自分はあまり酔わなかったけど、Aさんは少し酔っていた。終電まであと数時間、僕はAさんがタクシーで帰ると思ったのでそれまで軽く立ち話ししながらお礼を言おうとした。そして別れたあとは適当に街をブラブラするつもりだった。本当です。
が、Aさんはなぜか大通りから裏路地の方へ入っていく。どんどん進んでいくから僕もついていく。街中はとても静か。
「タクシー呼ばないんですか?」と聞くと、
「俺はもうお酒は駄目なのかもしれない、体が痛いしすごく眠い」なんて返ってきた。
さっきも言ったが僕に下心は全くなかった。ただお礼を言いたかった。でも先に進んじゃうからついていくしかなかった。
しばらくするとAさんはビジネスホテルを指差して、
「あそこでいいか?」と聞いてきた。ひょっとして朝まで仮眠できる場所を探してくれているのかなと思った。それまで結構奢ってもらっていたので、
「気にしないでください、適当に時間つぶしますから」と言った。
「いやいや、風邪引いたら大変だからさ」
と向こうも引き下がらない。でもなぜかそのビジネスホテルには行かずそのままさらに裏路地へ。
「Aさんも仮眠を取るんですか?」
「うん、体が痛くて痛くて、朝まで仮眠を取ることにするよ。でも先に言っておくけど、そういう関係にはならないからね」
「はい、大丈夫ですよ。僕ももう大人ですし、そのへんの分別はついているつもりです」
このとき初めてAさんも同じホテルに泊まることを知った。そして当然、色は無いことも確信した。
数分後、Aさんが立ち止まった先にホテルが見えた。どこからどう見てもラブホである。もう朝の4時くらいだろうか。
「こんなところでもいいか?」
「睡眠を取れる場所ならどこでも構いません、ありがとうございます」
どうしてさっきのビジネスホテルではなく敢えてここをチョイスしたのだろうか、深くは考えずただついていく。エレベーターで上がり、部屋の中へ。Aさんの様子を見るに確かに疲れきっていた。少し話をしたあとAさんは備え付けのパジャマに着替えてベットに横たわる。僕は最後に、変な気を起こすんじゃないぞと自分に言い聞かせた。
するとAさんが、
「下着は脱いでおいたほうがいいのかな?」
と聞いてきた。僕は内心????だった。先程パジャマと言ったが正確には柔道着みたいなやつで、紐で腰を結ぶタイプの服だった。だからその服を着るんだったら下着はいるのかどうなのかっていう質問だと思って、適当に返答した。すると今度は、
「寝ないのかい?」と訪ねてきたので、
「シャワー浴びてから寝ますよ」と言った。
.....
「シャワーか、そっかそっか」Aさんはベットから起き上がりこう言った
「一緒にお風呂入ろっか」と.....。
僕はただ呆然とした。え?ど、どういう意味?なんで、一緒に....?もう頭の中大パニック。大胆にもAさんが隣で着替えるもんだから、頭を冷やすために入口に貼ってあったマップをずーっと眺めた。はっきり言うと勃起しないようになんとかしようとしていたのだ。
それでも今までのことを振り返り、Aさんと絶対に色はない、自分が勘違いしているだけだと言い聞かせ冷静に保とうとした。裸で同じ空間にいたら気がおかしくなってしまう。だからAさんが風呂に入って時間が経ってから行くことにした。
ちょうど自分が体を洗い終わったタイミングでAさんは湯船からでて風呂場をあとにしようとした。その時ついAさんに
「あのね、Aさん、本当は....いや、なんでもないです。ごめんなさい」
と本音を言いかけてしまった。
Aさんは
「どうしたの、なんだい?」と言いながら僕の濡れた頭をナデナデして部屋に戻って行った。
馬鹿だよなと後悔しつつもこれでよかったんだと納得させ、バスタオルで体を拭き同じベットへ向かった。
「おやすみなさい、Aさん」
そう言って仰向けのままただ天井をぼんやりと見ていた。なにも考えずに。少しするとAさんがこちらに体を寄せて来た。顔を近づけて胸をトントン叩く。
「ねえ、さっきなんて言おうとしていたの?」
「さっきですか?」
「ほらお風呂場で言いかけていたじゃん」
「ああ、あれは....、あれはね、本当は、一緒にお風呂入りたかったなって言おうと思ったんです。でもやっぱりだめだなって思ってさ」
....
「○〇〇かわいい」
そう言うとAさんはそのままキスをしてきた。
突然の出来事に理解が追いつかない。自分の好きだった、憧れの人と今キスをしている。こんな小説みたいなことが起こるはずがないと。でも現実だった。
手をつなぎ、キスをしAさんのを咥える。そんなことを何度も繰り返した。最後はディープキスしながらAさんのを手で扱いた。Aさんの温かい精液が自分のお腹の上に勢いよく射出して、これまでにない幸福を感じた。
あとで聞くと、Aさん自身もその気は無かったらしい。じゃあ一体どうしてスイッチが入ったのか、そこまでは聞けなかったけどもう今さらそんなことはどうでもいい。敢えて言うなら、お互いに恋に臆病だったのかなと思う。
長い時を経て実る恋なんてドラマの中だけの話だと思っていたけど、まさか自分にも起きるなんてね。そんな日がありましたとさ。
最後まで文章が下手っぴでごめんなさいね