俺は個人で飲食店を経営している。
パートとアルバイトを数名ずつを抱えており、営業は俺と他2人の3人で営業するスタイル。
1階が店舗、2階が住居となっている物件で、店舗は4名席4テーブルとカウンター7席のちいさなお店だ。
昨年大学生が2名就職して卒業し、次のアルバイトの募集をかけて少しした4月の終わり頃、求人誌をみて高校生2年生の洋輔という男の子が応募してきた。
幼さが残るが少しヤンチャそうで学校では目立つタイプだろう。
面接で志望動機を聞くと、母子家庭で母親の稼ぎも少なく、生活資金のためだと言う。
今まで大学生しか採用していなかったが、21時にはラストオーダーのため、高校生でも問題ないかと思い採用の方向で伝えるが、高校生なので母親の許可も確認したかった為、条件として母親にも一度来てもらって確認したいと伝えてその日は終わった。
翌日の昼過ぎ、ランチの営業が終わった頃に電話がなり、それが洋輔の母親からでご挨拶に伺いたいとのこと。
ランチ終わりの昼休憩中に入るとこだったため、すぐに来てもらうことになった。
10分後、洋輔の母親が来店し少し話を聞くと、旦那様は借金を抱えて蒸発し、今も借金を返すので精一杯でギリギリの生活をしているようだった。
母親もパートとは聞いていたが、時給の良い夜間の工事現場の仕事などもしており、生活リズムもバラバラで洋輔は一人で夜を過ごすこともよくあるらしい。
応援したい気持ちもあり、母親の承諾ももらったので、翌週からバイトを始めることになった。
初日、学校帰りに高校の制服姿で出勤してきた洋輔に、バイトの制服を渡して更衣室で着替えさせる。
高校の制服は少しダボッとしていて幼さがあったが、黒の細身のスラックスとワイシャツに腰から下のロングエプロンも似合っていた。
腰回りや肩周りはまだ細く、やはりまだ幼さは隠しきれない。
仕事は熱心に取り組むためすぐに覚えていき、大学生は21時以降も片付けをしているが、一人だけ21時で退勤してマカナイ飯を食べて帰る。
日頃から頑張っている為、大学生から特に不満もなく、みんな仲良く仕事をする環境になっていた。