壁側を向いて、くの字になって寝ている一輝を、
僕は後ろから身体を密着させて、
お腹が冷えないように僕は手のひらを、
割れた硬い腹筋の上にずっと置いて、とにかく風邪をひかないようにと思っているうちに…僕も、うとうとしてしまっていました。
「稜平さん、起きてますか?稜平さん…」
「寝そうだった…一輝くん、寒くない?」
「寝てましたよ稜平さん。俺は稜平さんがくっていてくれていたから暑いくらいだけど、稜平さんが寒いでしょ?」
「ほんとだ、背中汗かいてるね一輝くん。
くっつきすぎてたね、ごめん。」
「稜平さんが俺に親切にというか優しくしてくれて嬉しいっす。」
僕はまたドキドキして少し半勃ち気味になってしまい、一輝君のお尻に当たらないように腰をひきました。
「一輝君がかわいいからだよ」と自分で言って赤面してる僕がいました。
ふと、一輝が身体を回転させて、向かい合わせになり目を見つめ合いました。
心臓音が一輝に聞こえてるんじゃないかと思うくらい心臓のバクバクが収まりません。
どうしよう、この後…どうしていいのかわからない…僕は経験も少ない、ましてや勢いでノンケをここまでしといて、この後の展開が分からないとは情けない…
僕は聞きたいことも色々あったけど、
始まってからもう2時間以上経っていて、
明日の仕事を考えて引き上げることにしました。
「一輝君、帰るね僕。」
「稜平さん、明日仕事ですよね?」
「そうだよ、なんで?」
「ですよね。いえ何でもないっす。」
……何が言いたかったんだろうと、
自分の部屋に戻ってきて、
シャワーを浴びながら考えても想像すればするだけ変な想像しちゃうから考えるのをやめました。
ベッドに入って天井を見ながら、
この上に一輝が寝てるんだなーと思ったら…
思ったら…僕は… なんでもないです。
次の日、僕は帰りが遅くて21時回っていたけど、
一輝の部屋は外から見ても電気がついてませんでした。
24時頃、ゴミ出しに出て、ついでに2階のベランダを見たけど、まだ電気が消えていて帰ってない感じでした。
飲んでるかもしれないし、バイトかもしれないし、ほっとけばいいのに、気になって、少し心配してる自分がいました。
LINEをしようと思ったけど、
用事もないし、会話のきっかけもないし、
結局いつものルーティンみたいに、
1人でオナニーして、YouTube見ながら眠りに落ちました。
チャイム音が部屋に鳴り響いてビックリして、
飛び起きました。時間をみたら2時半…とっさに一輝しかいないと頭をよぎり、
玄関の覗き穴を見ると、扉にしがみついてる人が見えたけど、一輝だとすぐに分かり、扉を開けました。
崩れ落ちるように、僕にうなだれてきた一輝は、
汗臭く、酒臭く、酔っていました。
「一輝君大丈夫?」
「りょう…さん、俺だめっす…」と言うと、玄関に膝をつき僕の足にしがみついて動こうとしません。
「一輝君どうしたの?気持ち悪い?吐きそう?」
「いや、そういうんじゃないっす、酒は抜けてきました。」
「じゃあどうしたの?疲れた?」
しばらく黙り込んで小さい声で、
「ケツが痛いっす…もう嫌っす…あの人…」
とつぶやきました。
「ケツ?ぶつけた?すった?誰?あの人って?」
「一輝君!…一輝君!…一輝!!」
と僕は声をかけたけど、黙り込んで動こうとしません。
「部屋まで連れてこうか?」と聞くと首をふって、まただんまり。けっこう悩んで、僕は聞きました。
「じゃあ、泊まってくか?今日は?」
一輝が頷きました。
「じゃあとりあえず、シャワーあびような。」
と風呂場の前に連れてきました。
服を脱がそうとすると、「1人で大丈夫っす」と一輝がボソッと言うんで、僕はリビングの扉を閉めて、廊下の様子を見ていました。
なんとなくだけど、足首に赤いはれ、お尻も赤身がかっていて、どうしたんだろう?と思いました。
10分位かな、たっぷりシャワーを浴びて出てきました。「足元のタオル使って!着替えこっちに用意したよ。」
「うん。ありがとうございます。」と少し元気な声が戻っていた。
裸でリビングに来た一輝の身体を見て、改めて、筋肉質なガタイに見惚れていました。
いっちょ前にちんこはずる剥けで、玉がだらんと
垂れ下り、身体のバランスに似合わず肉厚な立派なちんこをしていました。
萎えててこのボリュームはすげぇ。
パジャマを手渡ししました。
「ノーパンで履いていいよ。」
「えっいいんすか?じゃあ履きます。」
もう3時を回ったから、寝ようと言ってベッドに一輝を寝かせた。僕は下で寝ようとしたら、
「稜平さん、俺は嫌じゃないんで並んでねましょ!」とベッドに誘ってくれた。
今日もまた色々聞きたかったけど、
疲れてるしなんだか元気がないから何も聞かずに背中合わせで寝ました。
夜中、一輝が僕の背中に顔を埋めて、
僕の手を握ってきたことは何となく感じたけど、
僕は睡魔に勝てず朝まで寝てしまいました。
先に起きた僕は、スペアキーだけ置いて出勤しました。
昼間LINEが来ました。
猛烈に猛省した内容だったけど、
理由等は分かりません。
20時に鍵を返しに家に来てくれる約束をしました。