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イケメンリーマンを捕まえるために・・・【4】

俺ヤバイ？ - 21/5/30(日) 14:09 -

俺は時折、夕食と軽く飲みを兼ねて、
駅近くの創作和食の居酒屋に行く。
そこは料理がおいしいのはもちろんだが、居酒屋の大将が
30代前半くらいのなかなかのイケメン。
女将と2人で切り盛りしてる。女将も大将より少し年上だが
和服が似合って色っぽい。
そんな大将と女将の雰囲気、トークが好きで通っている。

この前もその居酒屋にいって夕食がわりの軽飲みをしていた。
腹も満たし、いい感じで日本酒をたしなんでいるときに、一人の来客。
「いらっしゃいませ、あ、お久しぶりです」
現れたのは例のイケメンの彼。ネクタイもきっちりとして、スーツ姿で
いつものように鞄を背負ってる。
マスクの上の大きなキョロ目がカワイイ。

俺の席に二つほど開けた席についてオーダーをする。
大将は「いつものビールでいい？」と話しかける。
お、よくここにきてるんだ。ここでもビール、好きなんだなと
俺は一人ほくそ笑む。

俺は大将とおしゃべりしながら日本酒をちびちびと、
彼は鶏肉やお豆の料理を数品オーダーし、女将と時折話はしているが、
基本、スマホとにらめっこしながら黙々と食べ、飲んでいる。
ここで初めてマスクがない彼の顔をみた。
かっこカワイイなぁ。めちゃくちゃイケメンだ。

大将がサッカー、Jリーグの話を振ってきた。
俺が大のＪリーグ好きなことを大将が知っているから普通に話を振ってきたわけだが、
彼、サッカーしているだけあって、俺と大将の話に耳を傾けているように感じた。

「サッカー大好きなんですか？」
彼が俺に話かける。
大将「あ、樋口クンはサッカーしてるもんね」
お、彼は樋口クンというんだ。大将、サンキュー。

共通の話題があったらこっちのもの。女将も交えサッカーをきっかけに
いろんなことを話すことできた。
樋口クンは、地方の大学卒業して就職で上京してきたこと。
２年目と言ってたから24，5歳といったところか。
大学ではガチのサッカー部で、今も会社の草サッカーチームでガチでしていることも話してくれた。
ビールが大好きなことも（それは俺も知ってる　笑）

話は盛り上がり、お店の閉店時間に。
二人で店を後にし、一緒に帰る。
俺はもちろん樋口クン家は知っている。方角は一緒なんでいろいろ話ながら帰る。
そこで連絡先も交換したかったのだが、たまたま居酒屋で今日初めて一緒になった年上から
「連絡先交換しよう」はちょっとＮＧかな、と思って交換は我慢した。

居酒屋からの帰り道では俺のマンションのほうが手前。
「じゃ、俺ん家はここだから」
「おやすみなさい。またご一緒させてください」と樋口クン。
マスクの上のキョロ目が微笑む。カワイイ。
いい気分になって部屋に戻った。

それ以来、俺はその創作居酒屋により頻繁に通うようになった。
樋口クンと話しをしたくて。近づきたくて。
でも樋口くんはそう頻繁に来ないようだ。
たまたま他の常連さんと樋口クンの話題に。
好青年で感じよく、ルックスもいいから結構評判の彼らしい。
常連さん、「うちの娘を彼みたいなコに嫁がせたいね」と言い出す始末。
大将曰く、１か月に１、２度のペースでフラッと来るそうだ。

コロナで自宅でのテレワーク業務が増えてきたこともあって、
買い物の時間帯もずれ、樋口クンと鉢合わせになることもなく、居酒屋でも空振り。
「昨日、樋口クン来たんだよ」と大将に言われてしまう始末。
深夜のハッテン公園にいってももちろん見かけず、
いっても例の爺さんに「調子はどう？」と声かけられてしまう。
樋口クンのアパートの前で、彼の洗濯物とか見て悶々とすることが多かった。