昨日の遅い時間、22時過ぎに翼が僕の家にきた。
ちょうど伸太郎ともLINEをしていて、
今翼がそっち行くって向かったよ。
相談あるとか言ってたけど…とやりとりした。
10分後には翼が到着した。
リビングで翼をソファに座らせて、僕はカーペットに座って話をした。
翼「颯斗さん、俺奏真さんの家にいってきましたよ。」
僕「えっ!もう行ったの?どうなったの?」
翼「うん仲良くなれそう!もっと色々知りたくなったな。」
僕「話しただけ?」
翼「…奏真先輩って実は童貞だったんです。」
僕「!そ、それで?何で分かったの?エッチしたの?」
翼「まさかぁ、やるわけないですよ!なんで?俺、誰かさん(雄祐さんのことかな?)みたいにヤリチンじゃないよ。そんな風に思ってたの颯斗さん…俺のこと。」
僕「ごめん違う、ごめんて。」
翼「俺だっていつも元気で能天気なわけじゃないっすよ、悲しい時もあるし、寂しいって思っちゃう日もあります」
僕「だからごめんな。翼」
翼「それだけ?」
僕「えっ…えっと…」
翼「うっそー!!はい終わり。心配しないでよ、俺はいつも、元気じゃん!!」
僕「翼!こっち来て」
翼「えっなに?ここでいい?」
横に座った翼を目一杯抱きしめた。
抱きしめながら話した。
僕「翼、もしかして僕の事をずっと前から…?」
翼「何それ?」
僕「本気だった?」
翼「だったら何?何か変わった?」
僕「翼、僕さ翼のこと…」
翼「言わなくていい!言われたくない!」
沈黙が少しあった。
…
…
…
僕「なんで泣くの…」
翼「怖いからだよ」
僕「怖い?って…僕が?」
翼「今の関係が無くなっちゃうかもしれないって思ったら怖いから何も話さないで颯斗さん!」
僕「そんな事ないよ。何も壊れないよ。一回さ
…落ちつくまで泣けばいい。ずっとそばにいるから。」
何も言わなくなった翼は、しばらく僕の肩で泣いていた。大人がこんなに泣く場面に慣れてない僕は少し動揺しながら翼の背中をさすることしかできなかった。
服をぎゅっと握り締めて引っ張る力を感じていた。
僕もなんだか泣きそうで、ふと片手でスマホをいじった。翼に伝わらないように、伸太郎に来てってLINEをした。
15分くらいしたかな。合鍵で伸太郎が来てくれた。その時もまだ沈黙が続いていた。
泣いてる翼と、抱き合う僕たちを見て何かを察してくれた伸太郎は、翼の後ろのソファに座って
背中に手を置いた。
伸太郎「翼!大丈夫か?」
翼「なんで兄ちゃんきてんの?」
僕「僕が呼んだんだよ」
翼「なんで?俺、迷惑だった?」
僕「ばかだなー!そんな風に2人が思うわけないことを翼が1番知ってるじゃん。悪者になろうとするなよ!」
伸太郎「翼、遅かれ早かれ3人で話す機会が必要だったな。今日は急だったけど、タイミングよかったからちょっと3人で話そう!俺と颯斗さん…思ってる気持ち正直に、ぶつけるから、翼も遠慮なしに思ってる事言えな!だから、ちょっとこっち向け。」
3人で輪になった。
僕「じゃあ、僕から話そうか…僕は、伸太郎のことが会った時から大好きで、今は付き合わせてもらってる。これだけで本当は良かったのに…
翼の事も…好きな…気持ちが日に日に強くなって、この前のした時に溢れ出る思いが止まらなくなってもう誤魔化せなくなってた。翼が僕を好きな事にも気付いていながら、伸太郎と付き合うって決めたから、翼の気持ちに見て見ぬふりをして、自分の気持ちにも蓋をして、翼が他の誰かを好きになってくれればいいなんて思ったりした。
翼…お前が好きだよ。好きでしかたないよ!」
涙目で目を真っ赤にした翼が僕の目を見つめる。
伸太郎「なぁ、翼!俺はお前の気持ちを知ってたわけだけどさ、周りからしたら変なのかもしれないけど、俺は颯斗さんが翼を好きな事も翼が颯斗さんを好きな事も認められてあげられるんだ!」
翼「兄ちゃん…えっ!わかんない!え?」
伸太郎「だから、颯斗さんと両想いなのは俺もお前も2人だってことな。」
翼「そんなのいいの?兄ちゃんは?」
伸太郎「お前はそこを、気にしてくれてたんだよな。」
翼「そうだよ、兄ちゃんが幸せなら俺は邪魔できない。」
伸太郎「いいんだよ、翼!颯斗さんの事を愛していいんだよ。でも、俺も颯斗さんのことはお前も知ってるけど半年前から大好きだってこと。それをお前も分かってくれて理解してくれるなら、
この特殊な3人の関係を築いていきたい!」
翼「うん、それは俺も賛成。嬉しいよ!俺は今までもこれからも、兄ちゃんと颯斗さんの関係には嫉妬しない。むしろ嬉しい。」
僕「伸太郎?…あとはいいの?」
伸太郎「翼…最後に俺の気持ちを伝える。俺はお前の事を高校生の時位から少しずつ男として見てきた。けど、隠してきた。今改めて自分に問うと、お前のことは弟として大好きだ!
そんで、男としてお前の身体に凄く興味があって惹かれるんだ。こんな兄貴でもいいかな。」
翼「兄ちゃんさ、俺はなんでも兄ちゃんのやること考える事に憧れていつも、真似したりした。同じスポーツもやった。んで、憧れる部分はそれだけじゃなくて、兄ちゃんの身体にもいつも憧れてたよ。」
僕「よかった、同じ気持ちだったんだね2人。」
翼「颯斗さん…俺颯斗さんにマッサージの練習をやらせてもらった時から大好きでした。言えないし、言っちゃいけないと思ってたから…言えただけでも嬉しいのに…こんなことって…」
伸太郎「じゃあ、翼、颯斗さんこれからも変わらず仲良くやりましょうね!翼、もう落ち着いたか泣きすぎだぞ。」
僕「じゃあ気持ち切り替えよっか、風呂でも入るか!」
翼「そうしよう!」
3人で入ることにしました。風呂の準備をしてるときに後ろから2人の会話が聞こえてきた。
伸太郎「…でもさ、颯斗さんにタメ口はダメだろお前。」
翼「兄ちゃんこそ、颯斗って呼び捨てどうなのかなー!」
伸太郎「えっ!…あっ…?」
翼「さあねー!」
伸太郎「颯斗さーん、飲み物買いに行きましょうか。」
僕「いいよいこうか!」
翼「さっそく仲間外れじゃん俺。」
伸太郎「そんな赤っ鼻のうさぎ目のやつ連れてけれるか。職質されるわ!」
僕「そだぞ、留守番な!」
そう言って、伸太郎とコンビニへお酒を買いに行った。
僕「伸太郎、急にごめん今日!
あと、翼への気持ちの事も…あれでよかったのかな?」
伸太郎「よかったんじゃないかな!翼の事好きなんてとっくに、勘づいてますよ。俺と颯斗さんもう何回キスしてます?俺はキスで相手の気持ちが読めますからね!よかったんだよこれで!」
帰り道は腕を組んで戻った。