気分は上がったり下がったりまるでジェットコースターだな…
って言ってる場合か!!
なぜ?
どうしてKくんが知ってる?
てゆうかなぜそれをTが言うの?
なに?どうゆう事?
K:お前、性格クソだなとは思ってたけど、よりにもよってなんでゆうはお前なんかと
T:は?
ど、どうする…
俺はどうすればいいんだ?
選択肢もわからないし、何が正解なのかも全然わからない…
K:行こ
俺:あっ…
Kくんに手を引かれて歩き出した。
Tは何も言わず引き止める事もしなかった。
ただそこに立ち尽くしてこっちを見てた。
なんだか傷付いてるような、あの音楽室の時と同じような悲しい顔をしてる。
Kくんに握られる手首が少し痛い。
これまで何かあるたび泣きじゃくってきた俺だけど、あまりに衝撃的だと涙はおろか言葉すら出てこないようだ。
Kくんも何も言わずずんずん歩を進める。
どのくらい歩いただろう?
俺:Kくん…う、腕…痛いよ…
K:ごめん
Kくんから解放された手首は白くなっていて、その瞬間サァーっと血が通う感覚があった。
それにしても遊園地というのはどこにでもベンチがあるなぁ。
変なところに感心しながら、俺とKくんはベンチに腰掛けた。
でもKくんに口を開く気配はなくて、耐えきれなくなった俺は意を決して声を上げた。
俺:み、みんなはどこにいるの?
全く関係ない質問で茶を濁したー!
ま、まぁ会話の入口としては申し分ないだろう。
K:飯食ってる…はず
俺:そ、そっか…
つ、続かねぇぇ…
それにしてもこれだけ衝撃的な事が起きたのに、今日はやけに冷静でいられる。
以前あったKくんに嫌われたかも事件の時は取り乱しまくったのに、なんで平気なんだろう?
みんなの優しさに甘える癖がついてしまったのかもしれない。
K:みんな心配してたよ、戻ってこねーなって
俺:ご、ごめん…
K:本当にあいつ探しに行ったの?
俺:う、うん…話がしたかったから…
K:そっか
俺:あの…Kくんは…
K:音楽室で酷い事された?
俺:えっ…いや…
やっぱり何も知らないんじゃ…
K:あの日音楽室であいつとしたんでしょ?
あっ…やっぱ知られてるわ…
俺:な、なんで知ってるの?
K:あいつに聞いたから
俺:は?なんで?!
K:クラスマッチの日にあいつと初めてエロい事したのも知ってる
俺:なんで?!
K:クラスマッチのあとあいつが俺に話してきた
俺:いや、なんで?!どうゆう事?!
K:嫌がらせでしょ?俺はゆうと一線を超えたって言いたかったんじゃない?
俺:いや待ってよ!意味わかんない!
K:俺も最初は信じなかったけど、あいつに昼休みに体育館の放送室に来いって言われて、行ったら中で2人がしてたから、本当だったんだなって
あーまただ…
冷静でいられてると思ったけど、動悸は起こるみたい…
心臓だけじゃなく上半身全体がどくんどくんいってるのを感じる。
なんで…なんで…
いやそれより、放送室での事を見られてた?
聞かれてた?
恥ずかしさを通り越して自分を殺してやりたい。
なぜ?
どうしてTはそんな事するの?
俺:ご、ごめ…
K:ゆうが謝る事じゃないでしょ。どうせあいつが無理矢理手出してきたんでしょ?
違う、そうじゃない。
自分の意思で受け入れて、さらに求めたんだ。
そう言わなきゃ…
あぁ…今になって思うと、普段KくんとTが話してるとこなんて見た事もないのに、最近顔を合わせると喧嘩腰になってるのはこうゆう事だったのか。
俺:無理矢理じゃないよ…最初はビックリしたけど、俺…Tくんとのえ、エッチ…楽しんでたと…思う…
嘘ついた。
思うじゃない、楽しんでた。
ホント最低だ俺。
もう死にたい。
K:知ってる。
俺:・・・・・・
K:最初はずっと辛そうな顔してたけど、途中からなんか楽しそうって言うか、幸せそうだった
Kくんは何もかも知っていて普段通り接してくれていたのか。
それどころか、Kくんはずいぶん俺を見てくれていたんだな。
あぁ、ここへ来て涙が溢れそうでやばい。