T:ちょっとこっち来て
Tはそう言うと俺の手を引いた。
2人で気持ちばかり横になるとTは俺を抱き締めながら顔や頭をなでる。
その時俺の心は真っ黒だった。
一体俺はここで何をしてしまったんだろう…
確実に良くない事をした…
さっき一瞬でもチンコを咥えるの楽しいって思った事すら後悔した。
気持ち悪いとかは思ってない。
ただ理解が追い付いてなかった。
でも誰かの体温を直に感じるのがこんなに気持ちのいいものだなんて知らなかった。
だからこそ頭はパンクしそうだった。
Tはそんな俺の気持ちを感じ取ったのかもしれない。
T:そろそろ行こっか。あいつらきっとゆうの事探してるよ!
俺:うん…
こそっと扉を開けて外に出るが、誰も俺たちを気にしてる人なんかいなかった。
T:またね!
そう言うとTは何事もなかったかのように去っていった。
俺はしばらく呆然と立ち尽くしていたけど、ふらふらと歩いて元いた場所に座り込む。
ボーッと下を眺めてると浩平くんがいた。
こっちを見て何か言ってるみたいだけど、試合にかき消されて声は聞こえやしない。
しばらくすると浩平くんとその他仲の良い仲間たちがやってきた。
友:お前こんなとこで何やってんだよ!
俺:いや、お前らが消えたんだろ〜ここでずっとバスケ見てたよ
結局そっからはそこでみんなでだべって過ごした。
浩平くん(長いんで以下Kにします)は、何か言いたげな顔だった。
K:ねぇゆう大丈夫?
俺:え?何が?
K:なんか様子がおかしいなと
俺:(ヤバい)別に何にもないよ〜一人ぼっちにされていじけてるだけ〜
K:ふ〜ん。てゆーかさっき俺ここ見たんだけどいなかったよね?どこにいたの?
俺:(ヤバいヤバい)いや〜うろちょろしてたからね〜それに看板の辺りにもいたし!
この2階は狭い通路でしかないんだが、体育祭なんかのいろんなイベントで使うデカい板看板なんかがたくさん並べられている。
それは壁沿いにたくさんたてかけてあって、まるでテントみたいに暗く面白い空間を作っていてそこで話し込む人もたくさんいるんだ。
Kくんはちょっと鋭い。他のアホ共とは全然違う。俺の変化にすぐ気付く。
すぐにヘソを曲げていじけたりもするけど、かわいくてイケメンで大好きだ。