高校の入学式以来、俺は一人の男が気になっていた。名前は翔太。見た目はイケメンでとにかく爽やか。178.60と細身。隣のクラスだが体育の授業の際だけ合同で一緒になった。
男子更衣室で上半身裸にボクサーパンツ姿で着替える姿を焼き付けてオナニのおかずにしていた。
しかし、話しすらしたことはない。翔太と友達になりたかったが中々チャンスがなく夏を迎えようとしていた。
もうすぐ中間テスト。クラス中がザワザワしている。俺は入学試験で上位10位に入っていたし授業も真面目に受けていたので余裕があった。
ある日、後ろの席のタケルに話しがあると昼休みに体育館の裏に呼び出された。タケルは中学時代は不良で喧嘩早く、1年生の中でも注目される悪だった。みんなタケルのことを恐れていた。しかし、俺は席が前のこともありそれなりに会話しているし、何より宿題や勉強を教えたりして仲は悪く無かった。というか利用されているだけだと俺は理解していた。
勉強のことなら敢えて呼び出すこともないもなく席で言えばいいことだし、俺は何かタケルの気に障りことしたかなとおそるおそる待ち合わせ場所に行った。
そこにはいつもタケルと連んでいる仲間はおらずタケル一人だった。
「大介、ごめん、呼び出して」
この一言でとりあえずホッとした。
「何?どうしたの?」俺は尋ねた。
「実は来週からテスト始まるよね、そこで頼みがあるんだ」
「頼み?勉強なら教えてもいいけど」
「違うよ、大介の答案用紙を俺に見せて欲しい」
「え、それカンニングじゃん」
「まあ、カンニングって言うか見えただけって言うか…もちろん、全く回答を移したらバレるからそこは調整するから、頼む」
俺はどうでもいいので「自己責任でね、俺は知らないよ」とタケルに言った。
「持つべきものは友達だな」と調子良くタケルは俺の肩を叩いてきた。
「あ、このことは二人の秘密で」
「秘密も何もタケル君が勝手にやることだから俺は知らないよ」と言うと
「そうだな、わかった、俺が勝手にやることだからな」
いよいよ中間テストが始まる。
俺は答案用紙に記入したら机の左側に置き、身体は右側にそれて後ろから見やすいようにすることを繰り返した。
中間テストが終わり、俺はまた上位10位に入っていた。タケルも大幅に順位を上げたようでご機嫌だった。
夏休みに入る直前にタケルからまた呼び出された。
「ありがとうな、おかげで中間テスト乗り切ったわ、他のやつら赤点で補修だってさ」と上機嫌だ。
カンニングしての成績なのに本当馬鹿だなとタケルが可愛そうに感じてた。
「でさあ、大介に助けて貰ったから何かお礼とか手助けしたくてさ、誰かムカつく奴とかいたら俺がしめたるし」
「別に御礼とかいらないし、ムカつく奴もいないよ!」
「じゃ好き子は?」
「好きな子?」
「好き子いるな、何組の女子?」
「仮に好き子いたらタケル君は何かしてくれるの?」
「まあ、何とか上手くいくように考えるよ、ただ女子だしな、男締めるなら朝飯前だけど」
俺はこの時に思いついてしまった。
翔太のことを。