俺は先にシャワーから上がりコンビニでパンとコーヒー、ヨーグルトを買ってきた。
「はい、朝食」とコンビニの袋を渡す。
「あ、ありがとうございます」と上半身裸で腰にバスタオルを巻いた永久がいう。
「今日学校は何時から?」と俺が聞くと
「8時45分で今日は午前で終わりですよ。
ゆうすけさんは何時?」
「9時だよ!」とコーヒーを飲みながら答える。
「でも7時30分までには学校行く準備してな」と俺が言うと
「ここから会社も学校も3分以内だから8時30分に出ればいいのにそんな慌てないといけない?」と永久が少し面倒くさそうに言う。
「確かに会社も学校も目と鼻のさきだけど
テスト勉強の計画と進め方について朝話して起きたいんだ。」
「今日帰ってきたからじゃ駄目?」
「昨日早く寝ただろ?計画が遅れているし、
今日学校が半日なら俺がいなくても勉強が進むようにしないと…な。卒業かかってるんだろ」
永久は「ですね」と慌てて用意し始めた。
準備が終わりiPadで計画、整理した内容、やり方を説明する。
「これをメールで添付するから」と言うと
「ゆうすけさん、LINE交換します?何かと
その方がやりとり楽じゃないですか?」
「あ、別にいいよ」と答えたが正直LINEの交換には躊躇した。
永久と簡単に連絡が取れる嬉しさもあるが
LINEをすることにより万が一このようなことがバレたらまずいというリスクが脳裏を巡った。
ふるふるでLINE交換完了。
そうこうしてる間に8時30分に近づいた。
「永久、ここの部屋は連泊で掃除不要としてるから荷物を置いて行ってもいいし、チェックインも学校終わったらすぐに出来るから」
「はい」
「はい、これ、朝のバイト代」と2000円を渡す。
永久は「え、朝のバイト代?あ、要らないですよ、勉強教えてもらってホテル代やご飯までご馳走になってるのに…」と受け取りを拒否したので
「バイト代はちゃんと出さないとね。この家庭教師料金はちゃんと後で請求するから」と笑顔で永久に2000円を渡した。
仕事場につきデスクに着くと永久からLINEが。
クレヨンしんちゃんのキャラクターがお尻をふりふりしているのが届いた。
やっぱり高校生だな、可愛いと思わず俺はスマホ画面をみて微笑んでいた。
12時過ぎに永久からLINEが。
いま学校終わったからホテル行くね。
仕事頑張ってと。
永久も勉強進めろよ!と返す。
午後からのアポイントが先鋒の都合で中止になったので仕事を早めに切り上げることにしてホテルに向かった。
部屋に入ると永久はデスクで勉強している。
「おう、永久」
「あ、ゆうすけさん、仕事は?あ、勉強してるか気になって様子みにきた?」
「いま、どこら辺?」と計画の進捗具合を確認する。
「マジか!めっちゃ進んでるじゃん!いい感じだよ、ゆうすけ」
「あ、でも、わからない所とか飛ばしてますよ、ゆうすけさんがそうやって進めろって言ったから」
「いいよ、全然、それでいいよ」
「ゆうすけ私服持ってきてる?」
「え、あるけど、急にどうして?」
「いまから気分転換に別の場所に行くから
私服に着替えて…あ、勉強道具も持ってきてな」
「仕事は?」
「終わったよ!」
「そうなん?で何処へ」
私服に着替えた永久と俺の車を停めた駐車場へ。
「へぇ、これがゆうすけさんの車?レクサスじゃん、カッコいいな。」
「いや、中古だけどね、ありがとう」
「ここから30分くらいの山の中に喫茶店があるんだ。そこのオムライス最高だし、空気も上手くて静かで勉強には、最高だよ。俺もたまに行くんだ」