数日後。
健「あっちーな!!」
焼き付ける日差しの中。
季節は真夏。8月に差し掛かろうとしていた。
俺は駐車場を掃除しながら汗を流す。
健(マジであちーな。やべぇ…フラフラする。早く店ん中戻ろう)
そう思っていたら
パンっ。後ろから背中を叩かれた。
雅「よっ!お疲れっす!」
健「あ、お疲れっす…。」
そこには青いズボン、水色のポロシャツを襟をたてて着ている雅之さんがいた。
健(…か、かっけぇ…)
そう思った刹那、一瞬だが意識が遠のいた。
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雅「…か?…おい、大丈夫か?」
健「…ん…。あ、大丈夫っす」
長時間、外で掃除をしていたから
軽く熱中症になっていたようだ。
健(…ってか、顔近ぇ!!)
倒れかかる俺を雅之さんが支えてくれていた。
雅「マジびっくりしましたよ。いきなり倒れるもんだから…」
健「あー、すんません。ちとふらついちゃいました。」
雅「とりあえず店。戻りましょう」
そう言って、雅之さんはなんと
俺を台車に乗せて運び始めた。
健「え!いや、ちょっと!」
台車の上で体育座りをさせられ
運ばれる。
店に入ると、エリカがキョトンとこっちを見ている。
エリ「え?今日の納品は…店長ですか?」
雅「いや、違うんだ。外で健介が倒れて…」
健「あー、すまん。エリカ、水持ってきてくれ。(あれ?今俺のこと下の名前で呼んだ?)」
水を飲んでゆっくりしていると
雅之さんが手際良く荷物を店に入れて
こっちにきた。
雅「健介さん、大丈夫すか?」
健「すんません、大丈夫っす。てか、下の名前…」
雅「あー、下の名前の方が親近感湧くかなぁと!ダメかな?」
健「い、いや。全然いいすけど…」
なんとなく照れ臭く感じた。
雅「じゃ、俺そろそろ次行くから。」
健「あ、どーも。気をつけて。」
下の名前で呼ばれて、少しずつタメ語になっていく雅之さんに、俺と心地よい新鮮な気持ちを感じていた。
エリ「いつの間に、仲良くなったんですか?」
健「いや、そんなに仲良くなったわけじゃねぇけど。まぁ、いい人だよな。崎田さん」
そう呟いて、俺はゆっくり立ち上がった。