168/59/24 体験談
その日は蒸し暑い夜で、俺はムラムラしていた。
掲示板を眺め、好みのプロフがあったので、さっそくメールしてみた。
返信はすぐにあった。メールの会話は弾み、エロく盛り上がった。
お互いカラダ専だったので、俺は自分の下半身の画像を送った。
いわゆるチンポを強調した画像だ。
相手も画像を送ってきた。色白の胸筋と腹筋が良い感じのガタイだった。
「めちゃかっこいい!抱れたい♪」
「A君の画像見て興奮した、欲しい!」
「今夜ヤる?」
「いいの?ありがとう!」
この人と今日はヤろうと決めた。
相手は足無しだったので、こっちが車で迎えに行き、
あとは適当にヤる約束をした。そして、待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所は、郊外の工業地帯の倉庫前。
メールのやり取りが長引き、時刻は深夜2時過ぎ。電灯も少なくかなり暗かった。
これは野外でヤれるかも!ってかなり興奮する。
待ち合わせの場所に近づくと、
相手の姿が見えてきた。
俺の視界が捉えたのは、足の無い人間の姿だった。
目が合った瞬間、俺は頭の中でサイレンが鳴り響いて、車を急加速した。
「(やばいやばいやばいやばい!)」
信号があったが、赤でも突っ切った。
ようやく、工業地帯を抜け、コンビニの駐車場に止まった。
スマホがずっと鳴ってる。開くとメールが数十件来ていた。
「なんで待ち合わせ場所にこないの?」
「足の画像見せて、『やる』って言ったじゃん」「顔、覚えたよ」
恐ろしくなった俺は、すぐに家に帰ってスマホもOFFにした。
翌朝、俺は自分の見たアレが気になり、事故物件サイトを開いた。
すると丁度あの倉庫にマークがあり、見てみると
倉庫の荷物が崩れ、両足を潰された状態で男の遺体が見つかったとあった。
事故死した人物の名前が出ていたので、ググってみるとTwitterが残っていた。
見てみると、プロフ画にあの男の笑顔。
「これから夜勤ー、だりぃ」と、事故前日で更新が止まっていた。
俺は「ふう・・」とTwitterを閉じると、かわいそうだなという感情が湧いてきた。
この人も俺と同じようにゲイとして生活して、エロいことしたくて、
まさかこのツイートしてる時は事故に遭うだなんて思ってもみなかっただろうな。
通知を知らせる音。
Twitterを開くと、フォロワーが増えていた。
「まさか」と思い、通知を見ると、その男からフォローされていた。
頭が真っ白になり、同時に届いたDM、震える手で開くと、
「見つけた」