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件名:Re: バレエモデル
内容:
ご検討、そして嬉しいお返事ありがとうございました。
では当日、13時にJR高円寺駅北口で待ち合わせ致しましょう。
神崎
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と、最後のメールのやり取りをした1週間後、
12時頃に高円寺駅に着いて駅のリト◯マーメイドで少しだけパンとコーヒーを。
この日は久しぶりに1日オフだった。
会ったこともなかった人だしちょっと緊張して、10分前には待ち合わせ場所に出ると、そこには見覚えのある顔が。
写真家の井上さんだった。
俺「井上さん!すごい偶然ですね!」
でもなんだか言葉では表せないような、微妙な、変な感じもした。
その隣には長身の30歳くらいの男性が立っていたのだけど、俺には直感でこの人が絵描きの神崎さんだとわかったから。
井「おう。紹介するよ、彼が今日デッサンする神崎くん。こちらが、バレエダンサーの稜くん。」
神「写真より爽やかだね。よろしくね。」
なんで井上さんに当たり前みたいに紹介されてるんだ?
俺「よろしくお願いします。てか井上さんどうしたんですか?」
井「稜くんにとって会ったことない人だし、初めてだし、紹介した方が良いかなって。」
俺「それはご丁寧にどうもだけど、仕事無いんですか?」
井「実は俺も神崎くんが描いている間に稜くんを撮らせてもらおうかと思って。」
一瞬、え?って思ったけど
井上さんが良いカメラマンなのは知っていたし、すぐに承諾した。
ただ心配なのは写真は何枚か撮ったらポーズを変えるけれど、デッサンは同じポーズをしばらく保つだろうということ。
まぁそんなことを俺が心配しても、井上さんはプロカメラマンだしうまくやるんだろうけど。
井「それじゃぁ行こうか」