終点についても彼は起きず。
肩を揺すって起こす。
「終点だよ」
って声を掛けると、
「ん、、あれ、、、」
と、ぼぉっとしている彼を促してバスから下車。
「なんで終点まで居るんですか。。。」
と、聞くので、
「いや、ほら、君が俺の荷物持ったまま気持ちよさそうに寝ちゃってたから」
と言うと、顔を青くさせて、
「ごめんなさい、ついうとうとと寝ちゃいました。。。」
と、ばつの悪そうな顔。
「いや、いいよいいよ。俺も今日は暇だったから。テスト中で睡眠不足だったんでしょ?仕方ないよ。」
「すいません。。。」
いつまでもシュンとしているので、
「俺は飯の買い物して帰るから、早く家に帰って勉強するんだよ。」
と言うと、
「あ、俺も晩飯の買い物。。。」
「お、偉いね。親の手伝い?」
と聞いたら
「俺、一人暮らしだから。。。」
と。
「あ、そうなの?じゃぁ買い物行こっか。」
と一緒に行くか聞いてみると、ペコッと頷いてついてきた。
特に会話は無いが、なんとなくこそばゆい。
俺の今日の献立は、パスタとサラダとチキンソテー。
かごの中に食材を入れていくが、彼はまだ何も入れていない。
最後の方になって彼が手に取ったのは、カップ麺とおにぎり2つ。
「え、それだけ?」
と聞くと、コクンと頷く。
「そんな栄養の偏った物ばかりじゃ身体壊すよ?お昼ご飯は?何食べたの?」
「パン。。。」
「朝ごはんは?」
「食べてない。。。」
「いつもそんな食事してるの?」
。。。。コクンとまた頷いた。
んー、それは料理人としては、見逃せない。
ぶっきらぼうだけど、荷物を持ってくれたりと心は優しい子だと思うので聞いてみた。
「俺が作ろうか?今日時間あるし。」
と聞くと、
「え、、、でも、、、」
と、遠慮しようとしていたが、若干無理矢理納得させて、レジで2かごまとめて精算し、店を出ました。