競泳パンツを手に入れた日の夜のことです。悶々としていました。
一人きりの自室に、それまで何十回と妄想のタネにしてきたエッチなパンツが二枚も用意されている。
しかもあろうことか片方は自分が「された」ときのパンツなのです。平気でいられるはずがありません。
(…したい!)
勃起したあそこを押し返してくるブリーフの弾力。ときに夢中になったその刺激にももう満足できません。
これじゃない、ピッチリフィットのひんやりした、水着パンツの刺激がほしい…!
(…穿いてしたい! 濡らしてしたい!)
しかしそんなことをすれば使う前から水着が汚れてしまいます。
そんなものを学校で穿くのはもってのほか。といって洗濯へ出せば怪しまれますし、こっそり洗って乾かすのも至難の業です。
水泳が始まるまでまだ数日ありました。その間パンツで気持ちよくなるのはおあずけだと思うと、気が狂いそうになりました。
(今、これでしたい…!)
激しい焦燥感は機会を逃さず種つけしたいという本能でしょうか。
相手は妄想に彩られた化繊に過ぎないのですから滑稽な話ですが、
とにかく私は焦りのような感情にかられモジモジしていました。
しかしリスクなしに欲望を満たす手段をまったく思いつきません。
パンツを前に、いつも通り床オナをしようと諦めかけたときです。
去年のパンツがここにあるのは、一応予備を持っておきなさい、ということだったのを思い出しました。
願ってもない提案に喜んで引き取ったのです。
新しい水着がある以上、卑猥な目的のほかに使うつもりはありませんでした。
だから汚そうが何をしようが、隠してさえおければ人目に晒す必要は一切ありません。
都合のいいときに、どこか外で洗って、見つからないところで乾かすこともできる…
気付いた途端いても立ってもいられなくなり、ポケットに古い方の水着を突っ込んで、忍び足で玄関に向かいました。
家族はとっくに寝ています。あっさり外へ出られました。
わき目もふらず庭を横切って、裏手にある林へ入ります。
夜中、淡い冒険心で庭先まで出たことはありましたが、それですら暗さと見つかることへの恐れがあったのに、このときそんな感覚はまったく吹き飛んでいました。
林の中を少し行くと、トタンやブルーシートを被った木材の束がいくつか置いてある、やや開けた場所に出ます。
街灯からは家を挟んで離れていますが、目が慣れるとびっくりするほど明るいのに驚きました。
道路から見えるはずもないのですが、不安になって木々の合間のひときわ闇の濃い場所へ入りました。
それでもだいぶ明るく思えましたが、木材の陰にもなる場所へ来てここと決め、改めて人の気配がないのを確認してから、水着を取り出して広げました。
薄明かりの下、何度もそこへあてがって果てた白いメッシュの裏地が異様に映えて見えました。
息が荒くなりました。ジャージ・ブリーフを脱ぎ捨て、水着に脚を通し、膝を越えさせ――
腿から一気に腰へ引き上げました。弾力ある生地が尻と股をぴっちり包み込んだその瞬間、
キュン!
軽くイッたような感覚に、腰が引け、内股になってしまいました。
すっかりできあがっていたあそこに、水着のフィット感は強烈な刺激でした。
しかも一年足らずの間にジュニアサイズのパンツはきつくなっていて、身じろぎするたび股間全体を引き絞ってきます。
私はしばらく、股に攻撃を受けたかのようなポーズのまま、恍惚となってふるふる身体を震わせていました。
中1の男子が、体操着の半袖シャツに水泳パンツ一枚という格好で、夜の雑木林の中、前屈みでハァハァしている。
その気のある変質者でも現れたらただでは済まなかったでしょう。
まして、その後の行為を見られたら…