ビクッ!っと身体が跳ね、あそこからチュ…っと何か漏れたような感覚がありました(軽くイったのかもしれませんが、トイレに行く途中でしたし、まだ射精するようにもなっていませんでしたので、単に少し漏らしたのだと思います)。それでも蠢く指は止まりません。しかも漏らしたような感覚を境にあそこがさらに敏感になり、水着が伸縮して裏が擦れる感触、水着の中に染み透ってくる水の冷たさまで鋭く感覚されてきました。その刺激がまたどういうわけかとてもいやらしく性的に感じられ、未成熟な性器にはそれだけでも強烈な快感だったに違いないところを、痴漢は容赦なく悪戯し続けます。
無理もないことと思いたいのですが、とうとう刺激を求める気持ちが、怖さや恥ずかしさ、悔しさや気色悪さを上回ってしまいました。脚をピンと伸ばし、両手を胸の前で女の子のようにかき合わせてひたすら下手な立ち泳ぎみたいに腰を振ったのを覚えています(今更ながら、実質くすぐられているだけでパンツだってしっかり穿いているのに、必死に腰を使ってるってかなりヘンな状況です)。
全神経が股間に集中し、時折戻ってきそうになる理性も自ら振り払う始末…
うまく説明できませんが、この異様な状況のあらゆる要素を「エッチ」に受け取る回路を自ら働かせていたように思います。
そうしてただ腰を振り続ける私の振る舞いは、痴漢の目には(もっといじくって!)というふうに映ったことでしょうが、実際は半ばヤケといった方が正確でした。快感の奔流の中で痴漢の手をもはや股間をいじくるエッチな物体ないし生物というふうにしか認識しなくなっていたと思います。もうこのまま、エッチになってしまおう(イってしまおう)という投げやりな気持ち、また触られているといっても直ではなく水着越しであるという少々の安心感が、痴漢に好き勝手させることを許したのです。
しかし…
そうしてエッチになる(イク)ことしか考えられなくなってきたあたりで、唐突に悪戯は終わってしまいました。
しばらく私はそのままでいました…再開を期待していたのかもしれません。が、人に押されたのを機に身体の向きを変えて辺りを伺うと、例のオジサンもいなくなってしまっているのが分かりました。
誰かに見られたののか、飽きたか、自分だけイったのか…理由は分かりません。ともあれ、こっちは寸止め状態。本来ならあれ以上おかしなことをされなかったことに感謝すべきなのでしょうが、ここまでされて放置ではいつまでたってもムラムラが収まらず困りました。水から上がるのにも前の膨らみを鎮めるのにたいへん苦労しました。
その後すぐ行きたかったトイレへ駆け込みました。
火照った状態とはいえ、痴漢されたこと自体への恐怖は依然消えていませんでしたし、さっきのオジサンにこんなところで鉢合わせしたら嫌だという思いもあり、小用でしたが個室へ入りました。
相当にたまっていたおしっこを出し切って一息つくと、一瞬は落ち着いた気持ちになったのですが…
パンツを引き上げ、しっとりと濡れた生地が再び尻と股間に張り付いた瞬間、一気にいやらしい気持ちがぶり返してきました。
その締め付け、フィット感。下着同然の、あるいは下着よりよっぽど恥ずかしいその形状、素材感。
下腹部がキューンとする妙な感覚に襲われました。
自分の水着姿に欲情した…というより、水着というものがいかにいやらしく、恥ずかしく、性的に無防備で、ときに着用者を苛むものかを強く思い知らされた、という感じでした。
こんなのを穿いて触られたらエッチな気持ちになって当然、という言い訳めいた理屈まで頭に浮かんできました。
実のところ、見た目や穿き心地で、すでに水着のパンツに対してどこかエッチな印象を持っていたのです。それをこの日、痴漢されたことで完全に性的なものとして認識させられてしまったのでした。
再度膨らんでしまった股間を鎮めるのにまただいぶ時間がかかりました。なんとか収めて外へ出ると、トイレの入口でちょうど友達の父親と入れ替わりになり、そろそろ帰るよと声をかけられました。友達と合流、着替えを済ませてプールを後にしましたが…
ことあるごと、水中での出来事とトイレでの興奮がぶり返し、勃起してしまいます。
ズボンの中ブリーフを引き上げたりTシャツの裾を引き下げたり、今思えばいじらしい努力をしつつ帰路を歩きました。
なんとか事態を気取られず家の近くまで来て解散となりましたが、エッチな気持ちは一向に収まりません。
思いついて一人来た道を引き返し、途中にあった公園の公衆トイレへ駆け込みました。個室に入るなり急かされるようにズボンとブリーフを脱ぎ、濡れた水着を取り出して再び脚を通しました。
びしょ濡れのいやらしいパンツが、いやらしく股間を締め上げる…
こんな場所で水着姿になっている背徳感も手伝って息が荒くなりました。
その上、さっきはこれでエッチなことをされてたんだと思うと、もう理性が飛んでしまい、紺の化繊に引き締められたピチピチ股間を凝視しながら、自分でめちゃくちゃに触りまくりました。
悔しさや恥ずかしさもありましたが、もはや自分を抑えられず、痴漢にされたように両手で股間をくすぐってみたりもしました。しかしされたときのようには気持ちよくなれず、試行錯誤。最後は右手でパンツ股間をツルツルゴシゴシ、高速で滑らせ摩擦して絶頂しました。
脚がガクガク震え、イク瞬間に崩れ落ちて、危うく和式便器へ足を突っ込みそうになったのを覚えています。
こうしてフェチへの目覚めから穿いたままの初オナまで、一日のうちに経験させられてしまったのでした。以来、夏が来て水泳の授業があるたび、プールへ遊びに行くたび、こっそり公衆トイレに入ってオナニーするのが習慣になってしまい、そんなフェチが引き続いて今に至ります(さすがに今は家の中でしかしませんが)。
ちなみにその後もう一度だけ、中2のときに痴漢されたことがあり、そのときは本当にイくまで触られてしまったのですが、今思い出しても嫌悪が先に立つ話(相手がすごく気持ち悪くずっと小声でブツブツ言っており、挙句、水着とサポーターを両方脱がされそうになった――実際、水着の方を腿まで下された)なので、ここには書かずにおこうと思います。