「そいやっ!!!」
ユウマのジャージのズボンを後ろから下ろしたのです。
勢い良く下されるズボンに、キャラものの可愛いボクサーパンツが露わになりました。
「おい!」
ユウマは慌ててエガワを離すと、ズボンを履き直しました。そして今度は、ズボン下ろしの犯人を探します。
しかし、背後からだった為、イマイチ誰だかわかりません。
「おい、誰がやった?」
と自分を取り囲むサッカー部や水泳部の男子たちを見回しました。
と、ユウマが背を向けた瞬間、また別の奴がユウマのズボンを脱がします。
今度はさらに勢い良く、ボクサーパンツもズレてユウマの陰毛が少し顔を出しました。
また慌ててズボンを履き直すユウマに、周りは大爆笑。
「ちょっと止めろよ!みんなしてイジメかぁ?!」
ユウマが恥ずかしそうに叫びました。
サッカー部の奴らも、「いじめてないって!」と笑いながら応えます。すると、
「ユウマくん、くすぐられると勃起するって噂だよ!」
ユウマの周りが賑やかになっているのに便乗してか、エガワがサッカー部の輪に向かって言葉を放ちました。
「アホなこと言うなって!」
そんなエガワをユウマがどつきます。
が、時すでに遅し、周りを囲んでいたサッカー部がゾロゾロとユウマと距離を縮め始めました。
「ユウマ、今の本当?」
「え、いや嘘だって」
「まぁ、実際くすぐられればわかるでしょ」
「いやいやいや、マジ止めろって」
「なに、やっぱ勃っちゃうの?」
「いや、そうじゃなくて…」
「はーい!ウダウダ言ってないで、くすぐっちゃおー!」
エガワが元気良く叫ぶと、サッカー部の奴らも一緒になってユウマをくすぐり始めました。
あの夏以来の、いやそれ以上の地獄が始まったのです。