最初の出会いから数週間後、(その間も健一は度々俺に気軽に話しかけてきていた)馴染みのバイト君達(健一を含む)が閉店後、俺をカラオケに誘ってきた。
週末ということもあり俺も誘いに快諾しカラオケ店に向かった。
みんながカラオケで盛り上がる中、俺は健一の隣を確保して、健一と部活、仕事、遊びの話で盛り上がった。
そんな会話の中で健一がパチスロや麻雀に嵌(はま)っている事(高校生がパチスロは違法ですが)が判った。
俺もパチスロや麻雀はよく打っていたのでその話でも会話が弾んだ。
ゆうじの時は、まだまだ性知識も乏しい中学生で家庭教師と生徒という関係も絡み合って初日から強引に俺のペースにもっていったが、今回は性知識もそれなりにある高校生であるので、容易く俺の手の内にいれる事は出来ない。
そこで、まず俺は健一の話を何でも聞いてやる聞き役に徹して徐々に関係を親密にしていった。
最初の頃はバイト仲間複数とカラオケに行ったり、俺が皆にメシをおごったり、ボウリングを楽しんだりした。
そうして、時が過ぎるにつれ健一と2人きりで行動する機会を増やしていった。
日曜日には、ふたりしてパチンコ屋の開店前から並んでパチスロを打ち、その後メシをおごってやったり、別の休日には2人でドライブに行く関係までになった。
関係が深まるにつれ高校生活の話や女の話、バイトの愚痴話から徐々に(健一の方から)下ネタも話題にのぼるようになってきた。
その下ネタの中身のほとんどは健一のサイズ(他人より小さいのではないか)についての愚痴(悩み)だった。
それでも俺は、あくまでノンケのふりをしてそんな愚痴にも極端な関心を示さないよう心がけ、「そんなこと気にするな」とか、「まだまだ成長するから心配するな」ぐらいのアドバイスをするにとどめていた。
そんなおり、2人でパチスロを打っていた時に、偶然にも(俺から偶然を装ってでは無く)トイレタイムが一緒になり【連れション】のようになった事があった。
トイレには小便器が3つ並んでおり、先に入った俺は(わざと)その真ん中に陣取って健一の様子をうかがってみた。
すると、後から来た健一は小便器の背後に2つある個室の右側に入った。
あれ?確か小便っていっていたよなぁと思った俺は個室の健一に
俺「あれ??ウンコなん??」
と、健一に聞くと
個室の中から小便をする ジョボジョボ という音と
健一「いや、違うっすよぉ...中村さんの横やったら俺の見られるかも知れないじゃないっすか」
という返事が返ってきた。
俺「ばぁか、健一の見たって俺に何の得が有んねん!!先に戻っとくぞー」
と水の流れる音のする個室に話しかけトイレを後にした。
俺は、この一件で健一の悩みが大きい事が判った気がした。