アキラさんがこの前、外出先でゴキブリを見つけてギャーギャー言ってた。個人的に、昔、ゴミ漁りとかしてたこともあってゴキブリは別に苦手じゃない。俺がノーリアクションだったからか、なんか落ち込んでた…。笑
読んでもらえていつもすごく嬉しいです。書くのも楽しいし、コメントもいつもしっかり読ませてもらってます!
今回からコメント返し、本文の最後にしよっかなと思います!!よろしくお願いします!
本文続きです。
その後、帰ってきたアキラさんとキョウスケさんが2人で宴会モードになったから、俺はユウトと先に風呂に入ることにした。
何も考えずに服を脱ぐと、ユウトが俺の体を見て少しびっくりしてた。
昔、虐待されてた跡バリバリの体を昔は人に見られるの、すごい嫌だったけど、アキラさんと生活するようになって、あんまりそういうの気にしなくなってた。だから余計にユウトの反応を見て、なんか久しぶりにいけないものを見せてしまった、みたいな、申し訳ない気分になった。
「あ、ごめん。気持ち悪いもん見せて…」
「え、俺そんなこと思ってないよ!?マサキ君の話も…マスターから聞いてたし。俺も、似たような感じだから」
そう言いながら、笑顔で服を脱いだユウトの体には、横腹から後ろ太ももにかけて、大きな切り傷があった。
「これ、義父ちゃんとヤッてんのがバレた時、母ちゃんに包丁でざっくりやられちゃって。でも、そりゃそうだよね。やっと息子よりも好きになれるやつ見つけたのに、そいつが息子とヤッてんだもん。あはは」
笑いながら言うユウトに、なんも言えなかった。お互い体を洗って風呂につかる。脱いだ直後はわかんなかったけど、ユウトの体にも色んなところに色んな種類の傷跡があった。
風呂から上がると、キョウスケさんとアキラさんは先にソファで眠っていた。2人がこの程度の酒の量で落ちるなんてあんまり無いからちょっと驚いた。相当疲れてたんだろなーと思って、客用の布団をかけて、俺とユウトはベッドに二人で横になった。
ベッドに入った後もユウトは話しかけて来た。いつもセットしてる髪がおりてて、すごく幼く見えた。俺は素面だったけど、酒が入ってるユウトは、結構色々喋ってくれた。
「俺、死んだ父ちゃんにそっくりなんだけどさ。俺が10歳ぐらいの時から、母ちゃんは俺のことずっと父ちゃんの名前で呼ぶようになって。それからかな。母ちゃんが夜に裸で俺の部屋に来るようになって。俺精通母ちゃんだよー、笑えるくね?俺の上で父ちゃんの名前呼びながら腰ふんの。本当何プレイだよって萎える萎える」
笑いながら結構壮絶な体験を語ってくるユウト。そうやって喋る表情はずっと笑顔で、世間話をするような感じで喋ってくる。
「義父ちゃんのこと紹介されてからさ、母ちゃんが俺のこと父ちゃんの名前で呼ばなくなって…ちゃんとユウトって呼んでくれるようになって。やっと、本物の親子になれるんだって思って喜んだんだけどさ。その後、義父ちゃんに掘られだして…それを母ちゃんに見られて。完全に、浮気相手って認定されちゃったんだろーねー。それから一回もユウトって呼んでくれなくなっちゃった。やっと家族になれたのに、俺が壊しちゃったみたい」
「…ユウトのせいじゃないだろ。そいつを、ユウトが誘ったわけでもないんだろ?」
「うん。義父ちゃんにはレイプされてたみたいなもんだったけど、母ちゃんは信じてくんなかった。今思えば、最初に掘られた時に母ちゃんに相談しなかったのも、多分母ちゃんのこと信じてなかったんだろなー…って。実際、母ちゃんは、バれた後、俺が何言っても…聞いてくんなかったから大正解ー、なんだけどねー!」
「家を出たのは、いつごろなんだ?」
「義父ちゃんとヤッてんのがバれて、すぐに義父ちゃんが用意したアパートに俺だけ引っ越したのが高校入ってすぐで、それから半年後に母ちゃんが自殺したって義父ちゃんから聞いて。いっとき家に戻って義父ちゃんと暮らしてたんだけど。義父ちゃんとヤった後は、絶対夢に母ちゃんが出て来て…。俺のこと殺そうとしてくんの。それに耐えきれなくて、家出してマスターに拾われたんだ」
ユウトの話を聞いてる途中、堪えきれなくなってしまって、ユウトの目の前で少し泣いてしまった。そんな俺を見て、ユウトは変わらず笑ってた。
「それから、たまたま街中で義父ちゃんに会って、連れ戻そうとされた時に、ハジメに助けてもらったんだー。俺の昔のこととか、聞いても、俺の体見ても、そんなの関係なく俺のこと好きだって言ってくれて。好きって言ってくれる人、今までもいたけど、この傷見たり、昔の話聞いたら、みんなドン引きしたのに。…マサキ君なら、わかってくれるでしょ…」
「…うん、わかるよ」
嫌ってほどわかる。俺の体見ても、「マサキが頑張ってきた証だから、全然汚くないよ」って言ってくれたアキラさんに、俺がどれだけ救われたか…。
(ユウトの彼氏のこと信じるしかないか…)
「俺は、ユウトのこと、弟みたいに思ってるから…、幸せになってもらいたいって思ってる。だから、ユウトがあいつのこと信じるって言うなら、見守るけど。危ないことは絶対するなよ?無茶言われたらホント相談して」
「ありがとー。でも、マサキ君、俺よりちびでガリなのに兄ちゃんかぁ…笑」
「……ユウトだっていまだに酒買う時に年齢確認されるくせに」
「マサキ君よりは、お酒強いからお店に貢献してるよー?」
不毛な争いをしながら、2人して笑ってしまった。その後、眠ってしまったユウトの寝顔を見ながら、美香さんのことを思い出した。
(あんなに、子どもを想ってる人もいれば、俺の親やユウトの親みたいなのもいる。血のつながりってなんなんだろ…)
そう思いながら、なんか無性に人恋しくなって。ベッドから抜けだして、ソファで寝ているアキラさんに抱きついた。アキラさんの心臓の音を聞いてると、なんかわかんないけど、すごい泣けてきて、ベランダに出て1人で泣いてると、誰かがベランダに出て来た。振りむくと、キョウスケさんが立ってた。
「…すいません。起こしました?」
「いんやー。途中で自然に起きたからー。はい、どうぞ。といっても、人んちのレンジ勝手に使ってなんだけどー」
そう言いながら、本当にいついれたのか、ホットミルクを俺の前のミニテーブルの上に置いて、俺の隣に座った。
「ずっとって…」
「マサキとユウトがお風呂から上がったところからー、アキラに熱い抱擁をしているところまで?」
「全部じゃん。寝てなかったんじゃないですか」
話しながら、ホットミルクを飲みながら空を見てるとなんか落ち着いてきて、涙がだんだん止まってきた。
いつもお喋りなキョウスケさんが、不気味なぐらい静かで、不思議に思ってるとキョウスケさんがぼそっと言った。
「本当、お前らみたいなのが、理不尽だよな…」
急に言われて、キョウスケさんの方を見ると、笑顔も一切無く、俺を見てた。珍しい真剣な顔に、ちょっとどきっとする。
「アキラがさ、マサキと一生一緒に居るって言い出した時は、何言ってんだ、こいつって。すっげー笑い飛ばしたんだけど。今なら理解できるわ。思えば、あいつ、マサキと付き合うようになって、なんかすごく強くなったもん。前は結構不安定だったけどさ」
そういうキョウスケさんの言葉に、鈴木先生も同じようなこと言ってたのを思い出した。
「辛いことを人一倍経験してきた人は、人一倍幸せになる権利があるってアキラが言ってたけど、俺はずっと理解出来なかった。俺は、辛いのもきついのも大っ嫌いだから、辛いのなんて無い方がいいじゃんって思って、人に押し付けたりも平気でしてきたし、押し付けられる奴が力が無いからダメなんだって思ってた。でも多分、俺みたいな自分本位なやつのつけが、お前やユウトみたいな優しいヤツの所に行ってんだろな」
聞いてて、本当びっくりした。自分の嫌なことは嫌、嫌いなヤツは嫌い。自分に害をもたらす人間は排除、のキョウスケさんがそんなこと言うなんて。それまでのキョウスケさん知ってたら絶対想像できない言葉。(ひどい言い方だけど、本当にこんな感じだったから、笑)
「お前も、ユウトも、強いなー。本当、尊敬する。あ、俺、人を尊敬したの初めてかも。絶対お前ら幸せになんないとダメだよ」
「……キョウスケさんが、ユウトを幸せにしてやろうとかは思わないんですか?」
「うーん…」
「やっぱり女がいい?」
「いや、前は、女と結婚して子供つくるのが当たり前で、自分も勝手にそうなるって思ってたけどさ。お前とアキラ見てたら、それだけじゃないって最近は思うようになったよ」
「じゃあ、ユウトのこと本気で口説いたらどうですか?そこまでは、思えない?」
「正直、俺も多分ユウトの義父ちゃんと同じタイプの人間かもしれないから…。今までも、人が傷つくってわかってても、俺には関係ないし、どーでもいいって思ってたから。自分の楽しいこととか気持ちいいことが最優先だったもん。ユウトを好き放題してた義父ちゃんみたいに…。だからユウトを本気で口説く資格は無いよ。アキラみたいに、幸せにしてやるって、俺言えないもん」
「……アキラさんも、俺に幸せにする、とはもう言ってこないですよ。でも、俺は幸せにしてやるって言われてた時より、自分の弱いところを一緒に背負ってくれって言われた時の方が、ずっとアキラさんを近くに感じれました。側にいるだけで、いいんですよ。それだけで、幸せなんです」
「側にいるだけで…か、あはは。それこそ、自信ないわ。ユウトにとって、俺はそこまでの奴にはなれないと思う」
「そうですか…」
それ以上は、話さなかった。キョウスケさんは、そんな風に言ってたけど、その表情は前に見たことがないぐらい、真剣で、もし気持ちが変わって、キョウスケさんが本気でユウトのことを口説くんだったら、今度こそ応援しようって思えた。
コメント返しです。
とむさん…いつも、コメントありがとうございます。好きになれる人がいないから逆にホスト系って余計にいけないですよ…。しっかり、信頼できる人と付き合わないと…アキラさんも、昔枕営業やってるときも、お客さんってだけで恋愛対象にならないんだよねって前言ってました。
ゆうやさん…昔の話なんで、のんびり読んでやってください。昔から悩んでたんですか?うらやましいしかないんですけど…。基準はやっぱり自分のう○この大きさですよね…笑
まーくんさん…最近不思議な時間に一回眠けがやってきて、夜中に起きます…。アドバイスありがとうございます!一応この話は一年ちょっと前の話です!さすがに当時はいろいろとてんぱってたけど…。こちらこそ、熱中症などに注意してくださいね!