ある夏の日の夜。おれはLINEで陽太にメッセージを送った。
「今日の夜、暇?」
しばらくすると、陽太から返信。
「暇っすよ!」
「しゃあ10時に待ち合わせオッケー?」
「了解です!」
俺と陽太のやりとりはいつもこんな感じだった。互いがやりたいなぁと思ったら、簡易なメッセージを送る。
待ち合わせ場所は陽太と初めて会った、発展公園。
そう陽太との出会いは発展場だった。
最初陽太を見た時は、「めっちゃイケメンがいる!」と思った。芸能人でいえば、福士蒼汰や三浦春馬のようなきれいめタイプのイケメン。でも、多分自分なんかタイプじゃないだろうなぁと思い、何度かすれ違ったりしたものの、アプローチはしなかった。
この発展公園はこじんまりとした小さな公園で、発展するとしたらトイレや、物置小屋?のかげだった。その日は人も少なく、俺と陽太とあと一人いたくらいだったので、俺はその二つの場所から離れた東屋のベンチで誰かもっと来ないかなぁと思いながらタバコを吸った。
すると、陽太が近づいてくるのが見えた。「もしかして、、、」と思ったが、すぐに「いやいや、あんなイケメンが。どうせ、通りすぎるだけだろう。」と思いなおし、気にしないふりをしてタバコを吸い続けた。
陽太は、ゆっくりと歩きながら、俺の横を通りすぎた。「やっぱり、、、」と思っていたら、陽太はまた俺の横を通り、公園の奥へと歩いていった。
そこは、普段から薄暗いこの公園でもさらに暗い行き止まりになった所だった。「マジか、もしかしたら」という気持ちはかなり強まり、俺は陽太のあとを追うように歩き出した。