カラオケ部屋に二人で戻ると、もう会計のカネ用意したりカバンごそごそし始めたり解散の雰囲気。「みんなおつかれー」なんて言い合いながら、解散へ。
W君は「今日はAは、俺のホテルにお持ち帰りさせていただきます!」とわざわざみんなに言い放ちました。笑
友人が「Wさん、だめっすよー、手が早いんだから。Aはきょうは妊娠させられるなwww」なんて言う始末。僕は「ちょ、ふざけんなよー!つか、Wくんに失礼だろww」ってごまかしましたが、W君は「どうだろねーははは」なんてふざけてて。笑
そのあとはW君のホテルに二人で向かいました。その間の道はふつうにお互いW君卒業後、どんな生活してきたのかみたいなことをくっちゃべってました。「お前も大人っぽくなったな」って言われたのがすごく嬉しかったです。
そして、ホテルに到着。「さ、遠慮せず入んな。」と、W君は後ろから僕を推して部屋のドアを入りました。
カチャッ。自動ロックの音です。
なんか、ゲイの出会い系で出会った人と会ってるみたいな気分になってきました。笑 よく知ってるW君なのに。
W君は「はー、疲れたよな!!」といって、ベットに腰掛けました。「おまえもゆっくりしろ」って言われたので、ささっとソファーのところに座りました。W君はこっちを見ながら、「ちょw何、キンチョーしてんのwww」とニヤニヤしてきます。
「いや、なんかホテルなんてそうそう入らないっすから。。。」
「まじで?彼女とかいねえの?」
「いないっすよ」
「相変わらず草食系だねぇー」
本当はさっきあんなことされたW君と二人でいる、しかもW君の私空間に入れさせられてる、そんなことに緊張してました。
「ま、ビールでも飲み直そうぜ」とW君はホテルの冷蔵庫に入っているビールを差し出してくれました。「んじゃーおつかれぃー」と乾杯し、またグビグビとお互い飲んで・・・けっこう酔ってるのに明日残っちゃうなーなんて思い。。。まぁ、僕は駅の駐輪所にチャリ泊めてるんで、そのまま帰るだけなんですけど。笑 W君は新幹線だろうし、大変だなーなんて思いながら。。。
またしばらくは近況報告をお互いしあったり、結婚した奥さんの話とか聞かされたりして、「はは、やっぱそうだよな」なんてちょっぴり残念な気持ちになったり。なんかちょっと期待してる僕が馬鹿だなーなんて冷めてきたりもして。
そのうちW君がなんか眠そうな感じでアクビまでし始める始末で、「あー、なんかほんとただの飲みなおしぢゃん。。。」とあほらしく思えてきました。笑
ちょっとソファの上で僕もダラダラとした感じでマッタリしてたら、いきなりクスクスと笑いだすW君。
「え、なんすか??」
「おまえさー、めっちゃ昔からだけど顔に出るよなーwww」
「え?!な、なにがっすかー」
「ぜってー今おまえ、つまんねーとかスネてるだろ?」
「な、なにいってるんすかー、楽しいっすよ、ほら!」
僕は笑顔を作って答えました。でも、W君はまた声に出して「ははは」と笑いだす始末。「チョー作り笑いなんだけど!!wwwほんと、わかりやすいよなっ!」とバカにしてきました。
「そんなことないんですけど!」
僕はちょっとムッとしてしまいました。
W君はベッドからおもむろに立ち上がると、そのままソファの上に乗っかって、背もたれと僕の背中の間の狭い空間に入ってきました。そして、僕の後ろで「ドスッ」と腰をおろし、僕は完全にW君の股の間に座っている格好になりました。
そして、すかさず、僕の腰に手をまわして、後ろから抱きつかれてしまいました。。。
「Wくんっ・・ちょっと、狭いし、暑い!!」
僕はまた平静を装うのに必死なヤバい展開。
なのにW君は僕のお腹に回した両腕をグググッと後ろに引いてきます。めっちゃW君と密着してる。。。めっちゃハズかしい。。。
「こうされんの、期待してたんじゃねぇの?」
W君は後ろから僕の耳元で囁いてきました。
何度もギュッ、ギュッと僕を後ろに引いてきます。W君は僕の右肩にあごを載せて、鼻息が耳にかかりました。
A「Wくん、ま、またこんなことして、ヤバいっす」
W「なにが?」
A「だから、俺たち男同士ですし、僕そんな趣味ないし、W君そもそも結婚してるし」
W「ごちゃごちゃうっせえなぁ。そんなのわかってるんだよ。」
A「へ?」
W「だから、言ったべ、さっき。お前見てるとムラムラしてくんだって」
A「い、意味がわからない。。。」
W「俺もわかんねーよ。でもこうしてたいんだよ、無性に。ワケわかんねえよな」
そういって、W君は僕の上半身に腕をまわし、力いっぱい抱きしめてきました。。。
W君のなんともいえない体臭がすごいしてくる。。。W君のスウェットから立ち込めてくるんだ。。。。男の人のニオイ。。。久しぶりでたまらなく安心する。
僕はなんだか朦朧としてきて、そのままW君に抱きしめられていました。
しばらくして、ハッと我に帰り、
A「ちょ、もう、へんな冗談よしてくださいよー。俺、何もしてないですし!!そもそも、Wくん、ゲイとかなんですか?!」
W「は?馬鹿にすんなよな、ゲイじゃねーよ」
A「でももはやちょっとレベル超えてますよ、、、友だちとか後輩とかではないっていうか・・・」
W「そうかもなー、別に男が好きってわけではねぇよ。俺は無類の女好きなのは知ってるべ?」
A「それはもちろんw」
W「でも、なんつうか、お前が男とか関係なく、今はおまえがかわいいって思えてるんだ」
A「なんか・・・そういうのってゲイなんじゃないですか?」
W「だったらそうなのかもな、キモいよな?」
A「そんなことはないですけど・・・」
うわ、僕はひどいことを言ってしまった。自分もバイなのに、いかにもゲイを下に見るような発言。。。後日変なことを言いふらされないためにも、僕は絶対に自分から仕掛けてはいけないと決めていました。でも、W君のスウェットから香る匂いが心地よくて、そのままここでW君にめちゃくちゃにされたいって気持ちもわいてきました。なので、冷静を装うのがつらかったです。
W「まぁ、正直、お前の乳首?あれ見た時からやばいんだわw」
A「へ?!そこ?w」
W「そうw 俺、めっちゃ乳首フェチなんだわwww お前のみてさ、男だってこと差っぴいても、たまんねぇなって思っちゃってさ。ヘンタイだよな。」
僕は腰に手を回されたまま、後ろからW君の話を聞く。ときどき、W君の息が耳にかかってこそばい。
A「そんなことで?でも女みたいに俺、ムネないですよ!」
W「あたりまえだろ、わかってる。でもAカップの女なんて男とほとんど変わんねえから」
なんて都合のいい論理www
W「ほんとエロい乳首だよな。それに考えたら、おまえ、昔からよくなついてくれてたし、性格もほんといいやつだし、なんか魅力的っつうか・・・」
いわ、いきなりのホメ作戦!
A「そ、そんなことないですよw」
W「いや、俺は当時から特におまえは可愛がってきたつもりだよ。でも、今日、あんなの見たら・・・正直、他の奴らにも同時に見られてることがすげームカついてきてる自分がいてさ。」
A「え゛??もしかして、それって・・・」
W「ああ、お前の友だちに対して勝手にひとりヤイてたのかもな」
うわーっかわいいwww W君にそんな一面があったなんてww
W「だから、ひとりじめしたくなった! 以上だ、モンクあっか?!」
A「ないですw・・・」
なに、この強引な会話?と思いつつも、ちょっとW君が僕のことをヤイたなんて聞かされてほほえましくなってきました。
W「お前も俺のこと、正直、、、好いてくれてるだろ?」
A「そりゃ、いい先輩ですもん!」
W「いい先輩?それだけ?」
A「それにかっこいいし、イケメンだし・・・・あこがれっつうか」
W「まじ?嬉しいなー。だよな、だから、さっきからこんだけくっついてても離れないわけだよなww」
!!!
うわっ、見透かされてた!!!
W「ほんとにこういうのイヤだったら全力で逃げてるよな、ふつうwww」
A「え゛、それは、え、なんていうか・・・」
いきなり僕が動揺するパターンにww
W「でも、こうやって俺に抱きつかれたままでも平気なとこみると・・・」
A「?」
W「意外とお前もまんざらではないんだろ?ww」
いきなりSっけたっぷりな雰囲気醸し出してくるW君。
A「ひどいっすよー、まじめにハナシ聞いてただけなのにーーー」
W「はいはいはい、わかったわかった、じゃあ、これならど・・」
と言った瞬間、ほっぺたにチュウされた。
A「!!!!!」
顔から火が出るくらい一気に血が顔に上ってきた。「な、なにするんすか・・・!!」
W「う、うわーーちょう真っ赤だよ、顔ww 何テレてんのwww」
A「ひ、ひどいよーW君俺で遊んでる!!!」
W「わかったわかった、ごめんごめんwww」
そういって後ろから頭をナデナデされた。
瞬間、一気に大学生の時の記憶がフッと出てきた。当時も何かにつけて僕が失敗したりヘコんだりしてるとき、W君は僕の頭をナデナデする癖があった。「子ども扱いしないでくださいよーーー」なんて当時から言ってたけど、実はこのお兄ちゃん的な感じが好きだった。。。
また、今もナデナデされた。。
なんだかすごくうれしくなってきた。
僕はちょっと冷静を装い続ける感情をゆるめて、少しW君のほうによっかかった。
W君は「お?」とか言いつつもやさしく後ろから抱き締めてくれる。。。
A「なんか、今みたいにされたの、久しぶりだなーって。。。」
W「おまえ、いつもこうすると、ヘコんでても気分取り戻してたもんなー」
A「そうですねww」
しばらく僕はW君に後ろから抱きしめられたまま、少しずつ、安心感を感じるようになってきた。
W「な?」
A「はい?」
W「・・・その・・、甘えてる?」
A「どうなんですかねーw」
W君は僕を少し横にずらしてひざを枕にしてくれた。斜め上にW君の顔がある。。。相変わらずマジマジと見るとかっこいい。。。
W「甘えてないわけ・・ないよなwww」
A「わかんないですっ」
W「ごめん、無理・・・」
今度またほっぺたにチュウされました。W君の首筋からちょっと汗っぽいニオイがしてきました。僕はまた顔が真っ赤になってしまいました。
A「またキスされたーーーw」
W「だって、おまえがw」
A「僕何もしてないですっ」
なんだかこんな他愛のない会話をしているのが普通に楽しかった。完全に男同士で、あぐらかいてる野郎の膝枕に野郎が頭載せて、チュウしあってるとかwww 普通にキモイはずなのに、この夜はなんとなくお互いそうは思っていなかった。