コメントいつもありがとうございます!すごく嬉しいです。再来週資格試験だけど、読んでもらえてると思ったら書きたくなる。笑 気長に読んでやってください
「マサキ…ちょっと待って…。どうしてそうなるの…。お前今、ちょっと精神的にきてんだって。今はそういう話辞めよう?」
「今だけじゃないんです。ずっと考えてた。アキラさんは悪くないんです、俺の問題なんです」
「そうかもしれない、けど。俺、ちゃんとお前のこと支えて行こうって思ってるし…一緒に頑張って行こうって言ったじゃん。俺なんかダメだった?」
「アキラさんはずっと優しかったです。ただ、その優しさがずっとしんどかった…」
そういうと、アキラさんはすごく戸惑った表情を浮かべてた。
「…俺が、お前に負担かけてたの?」
違う、って言おうとして、飲みこんだ。とにかく、どうしたらアキラさんが別れてくれるか…、そればっかり考えてた。
今思えば、逃げたくて仕方なかったんだと思う。いっぱいいっぱいで、突然、そんなこと言われたアキラさんの気持ちを全く考えることが出来なかった。
一時、沈黙。アキラさんが無言のまま、動き始めたかと思ったら、手帳から一枚名刺を取り出して、俺に渡してきた。
「隣の駅前に、開業した精神科の先生…勤務医時代から知ってるけど、いい先生だから…」
それだけ言って、アキラさんは家を出て行った。なんか、その瞬間泣けて来て、名刺握りしめたまま一時泣いた。大事なものがなくなって、しんどいって気持ちと、いつか失うんじゃないかって恐怖がなくなった安心感があった。
福助(飼ってるネコ)がずっと俺の膝の上に乗ってきて、泣いている俺に向かってニャーニャー言ってた。
朝になってもアキラさんは帰ってこなかった。
「福助、ごめん…。落ち着いたら…、迎えにくるから…」
福助に朝ごはんをあげて、俺は、荷物をまとめてアキラさんちを出た。元々、福助は俺が拾ってきたネコ。アキラさんより俺に懐いてて、アキラさんもいつも「俺にも懐けよー」って福助に文句言ってた。そんなことを思い出して、また泣けてきた。
夜中の内にマスターに連絡をすると、俺んちにとりあえず来いって言われたから、マスターんちに向かった。
荷物をまとめながら、自分の物すくねーなー…って改めて思った。なるべく増やさないようにしてたから…。
部屋を出て、アキラさんにラインした。
『勝手言ってすいません。家を出たので、もう戻ってきてもらって大丈夫です。荷物で、置き忘れてるものがあったら、捨ててください。住む所見つかったら福助迎えに行くので、勝手ですがそれまでお願いします』
朝の6時ぐらいだったと思う。ラインはすぐに既読になった。でも返事は返ってこなかった。
マスターんちに行くと、マスターはいつもと変わらず迎えてくれた。マスターには一言アキラさんと別れたとしか電話で伝えてなかったけど、何も聞かずに、とりあえず寝ろって言われて、用意されてた布団に寝させてくれた。
一晩中泣いてたからか、あんまり色々考える間もなく寝てしまった。
マスターんちに居座ってから一週間。マスターは俺に無理やり食わそうと、色々作ってくれたけど、俺は相変わらず吐きまくって固形物が食えないでいた。むしろ、アキラさんちに居た時より酷くなってて、ウィーダーインでもたまに吐くようになって、たまにマスターに強制的に点滴に連れて行かれた。
マスターにこれ以上心配かけたらいけないと思って、アキラさんの紹介してくれた精神科の先生を尋ねた。
名前は鈴木先生。先生は、30代ぐらい?で、ちょっとメタボな感じ。笑 笑顔がすごく印象的で初対面なのになんか落ち着いた。
「こんにちは〜アキラくんから話聞いてたよ〜。マサキ君だね〜座って座って〜」
「すいません…よろしくお願いします」
「話聞いてからね〜来るの待ってたんだよ〜。アキラ君からもおととい電話あったかな。マサキはちゃんと来ましたか?って。心配してたよ〜」
(アキラさん、心配してくれてたんだ…)
初回は、俺のことを色々聞かれた。何が、食べ物で好き、とかテレビはよく見る?とか。些細なことをある程度聞かれた後、どんな症状があるのか、とか聞かれた。
色々聞かれたけど、尋問されてるって感じは無くて、言いやすいようにちゃんと誘導してくれる。
バーでいつも話を聞くのがメインだから、自分のことを話すのは苦手だけど、俺が言いにくくて、少し沈黙したりすると、自分の話をしたりして、笑わせてくれた。
「なるほどね〜。毎日吐いちゃうんだね。それはしんどいねー…」
「食べないと…ては思うんですけど…。お世話になってる人に心配かけたくないし…どうしたら治りますかね…」
「うーん…とりあえず、マスターさんと食事の時間をずらしてみようか。誰かの為に食べないとって知らず知らずの内に、プレッシャーになってるのかもしれないしね」
そんな感じで初回のカウンセリングは終えた。虐待されてたこととか、アキラさんとの関係とかは言えなかったけど、なんか少し心がすっきりしてた。