僕はあの頃、高校二年生でした。
そして、現代社会の担当教諭のY先生を好きでした。
細くて、やや黒目がちな目や、太くて形のよい眉、厚めの唇をいまでも愛しく思っています。
さて、今回は初めてY先生とSexした時の話をします。
Y先生と僕はもう何回か学校の外で会っていました。互いに互いのことを好きだということを確信していたと思います。
ただそれを言い合えなかったし、ずぐに体を求めてはいけないと思っていました。
あの日は所属していた美術部で、夏休み中に開催される県内の芸術コンクールのポスター制作のせいで、帰りがすこし遅くなっていました。
なんとなく僕は、電車では帰らず、川沿いの道を歩いて帰ろうとしました。川沿いをしばらくいくと、舗装された道が途切れて、ボート部の部室が現れました。ボート部はY先生が顧問をしている部活です。もしかしたらY先生がいるかもしれない。僕はすこし浮き足立ってボート部の部室の前を通りました。案の定、Y先生はボート部の部室の前で椅子に座って、川辺を眺めていました。部員はもう帰ったようでした。
「おう、今帰りか?」Y先生が低く、耳に響く声で話しかけます。
「すこし話せるか?」とY先生はボート部の部室の中に入って行きました。部室とはいえ、ボートの収納庫も兼ねていて、とても部室は広く、小ぶりの体育館のようでした。
部室内に置いてあるボートの先にT先生は座り、僕も横に腰掛けて話をしました。(何を話したのかはあやふやです。)
夕方とはいえ、7月の終わりだったので、部室内は蒸し暑くて、僕はシャツの前のボタンを二つ開けていました。Y先生もネクタイを緩めています。
しばらく喋っていると先生は右手を僕がボートのへりに置いていた左手に重ねて、指を絡めてきました。僕はそれは、スタートの銃声のように思えて、その右手を持って、自分の口へ運びました。先生の指は太くて、若い樹木を思わせるような手でした。僕は一本一本の指を舌で丁寧に舐めます。先生の指はすこし修正液の匂いがしました。先生は頬を上げて「いきなり大胆やな」とつぶやきました。僕は先生が嬉しがってるのがわかると、さらに指を舐めました。Y先生は左手で僕のシャツのボタンを外しながら、ボートのコックピットへ倒れこみました。
その不自然な体勢のまま、Y先生は、指を僕の口から外し、代わりに僕の口へ舌を入れてきました。Y先生のキスは、ねっとりとしたキスでした。口の淵をなぞるように舐めて、僕の歯をこじ開けけるように、舌を器用に押し込んできました。
蒸し暑いボートのコックピットの中で、先生とディープキスをしているということはあまり現実感がありませんでした。ただ、先生のワイシャツから香ってくる汗の匂いや、頬に先生の顎髭が当たる感触はいつも以上に敏感に察知していました。
続きます。