あきさん、ありがとうございます。
信じましょうさん(?)も、気を遣っていただき、ありがとうございます。
続きです。
「お母さん、心配してたよ」
「……」
彼は黙って俯きました。
「お父さんともケンカしたの?」
「お父さんは離婚したからいないです」
「…そっか。ごめん」
「いえ、嫌いだったんで」
「…とりあえず飯にしよ」
「はい」
俺は荷物をリビングに起き、着替える為にスーツを脱ぎました。
いつも通りパン一になってから彼が目のやり場に困っているのに気付き、急いで甚平を着ました。
「何食べたい?」
「なんでもいいです」
「じゃあチャーハンね」
「手伝いますか?」
「いや、大丈夫だよ」
テキトーに食材を刻んでぶっ込むだけなのに、手伝ってもらうのも申し訳無いですし。
俺は店で出すようなモノとは程遠いチャーハンを食卓に並べました。
「いただきます」
「いただきます」
行儀良く、彼は手を合わせて言いました。
それからスプーンを手に取り、一口、もう一口と、何も言わずに黙々と食べる彼に嬉しくなりました。
誰かと家で食べるのも久しぶりだったからなおさらです。
「明日、学校は?」
「今、夏休みなんで」
「あぁ…夏休みか…」
学校は羨ましい…と思いながら食事を進めました。
食事を終え、彼がテレビを見ている間に片付けをしました。
「着替えあるの?」
「あ、ないからこのままでいいです」
「いや、服貸すから。寝るときだけでも着替えな」
「え?寝るんですか?」
「あ?」
「いや、てっきり…その…」
あからさまに照れた様子の彼が言いたいことは分かりました。
彼がそれを理解しているなら、俺もヤリたいですし。
据え膳食わぬは男の恥ですし。
「じゃあ、シャワー浴びてきて」
「は、はい」
声が裏返りながら、彼は返事をしました。
風呂場まで案内をし、タオルの位置などを教えました。
「なんかあったら呼んで」
「はい」
緊張を隠せていない彼は可愛かった。
彼が風呂に入ったのを確認してから片付けを再開した。
とは言っても、そこまで多くもないのですぐに済んでしまったが。
あがってくるまでの間、テレビを見ていることにしましたが、なぜか集中ができません。
初めて少年を相手にする事に、気付けば自分も緊張していました。