りょうすけはもぅ高校を卒業して、体つきも俺よりよくなった立派な大学生だ。
俺はりょうすけがどこに高校に行ったのかは知っていたけど、高校野球という青春の真っ只中に邪魔することは出来なかった。
高校を卒業して進学したりょうすけに連絡をとりたかった。
たまたま会った昔の教え子(りょうすけと同い年)を飲みに誘い、今度OBで集まろうと理由をつけてりょうすけの連絡先を聞いた。
おそらくりょうすけは俺とのことを誰にも話していない。
怪しまれる様子もなく教えてくれた。
それから数日して、俺はりょうすけにメールしてみた。
俺「久しぶり、○○から連絡先聞いたんだけど…俺のこと覚えてる?」
りょうすけ「お久しぶりです!!覚えてますよ。」
俺「元気してる?進学したんだよね?どこの大学いったんだっけ?」
りょうすけ「○○大です。」
俺「あぁー、それなら結構遠いな。帰ってきた時は一緒に飲みに行こう!!」
りょうすけ「はい、楽しみにしてます!!」
まず、そんな他愛もない話をやりとりした。
しばらくメールをやりとりしていると、やはり昔のことを話しておくべきだと思った。
俺「あの時のこと覚えてる?」
りょうすけ「覚えてますよ(笑)」
俺「悪かったと思ってる。」
りょうすけ「なんで謝るんですか?気持ちよかったし、嬉しかったですよ。」
俺「いや、でも悪かった。」
りょうすけ「確かに悩んではいました。正直されることに抵抗はありました。でも、してもらうのは気持ちいいし、まぁいいかみたいな感じでした。今となってはいい思い出です(笑)」
俺「そっか、ならよかった(笑)」
りょうすけ「はい!!」
迷いの中で俺は冗談まじりに絞り出した。
俺「でも、もうあの頃みたいなことは出来んね(笑)」
りょうすけ「なんでですか?」
なんでですか?と聞かれて俺は考えた。
俺「だってもうりょうすけも大人になったし、彼女とかいたりするだろ?それに俺も彼女いるし。」
そんな嘘をついてみると…
りょうすけ「今は彼女いないですよ(笑)」
俺「それでも昔も正直嫌だったんじゃない?だから出来ないよ。」
りょうすけ「そんなことないです。」
俺「じゃあ、またして欲しい?」
りょうすけ「もしよければして欲しいです!!」
俺は次にりょうすけが地元に帰省した時に会う約束をした。