大学の先輩にヤリチンな人がいた。
イケメンで、セフレが5人いるらしい。
中1で童貞を卒業して、今までに数え切れない人とヤッてきたそうだ。
俺は、その先輩が好きだが、嫌いでもあった。
優しくて、気配りができる。
いい先輩。
でも、性欲さえ発散できればいい。
悪い先輩。
童貞だった俺からしたら、羨ましさもあったのかも知れない。
だから、性的な話をするときは離れていた。
先輩と知り合ってから2年が経った夏。
「海に行こう」
先輩にそう誘われ、俺は海に行った。
着替える時、先輩を意識した。
だらんと垂れたモノを、いったい何人の女に挿れてきたのか。
胸がギュッと苦しくなった。
「ナンパするぞ」
先輩に連れられ、女の子に声をかけた。
まぁ、基本的に先輩が話していたけど。
「収穫ナシかぁ…」
旅館の風呂で先輩がボヤいた。
「じゃあ、先に戻ってますね」
俺は興味無かったので部屋に戻ろうとした。
「あ、俺も戻る」
先輩も後からついてくる。
旅館の浴衣を来て、部屋に戻る。
晩飯を食い、俺はテレビをつけた。
「ちょっと出てくるわ」
先輩が浴衣のまま部屋を出て行った。
女の子から電話でも来たのかと思い、気にしないでいると、30分程して帰ってきた。
「酒買ってきた」
テーブルの上に置いたビニール袋から大量の酒を取り出した。
「言ってくれたら俺が買ってきたのに…」
「旅行先でまで気ぃ遣うなよ」
テーブルを挟んで向かいに座る先輩。
「ほら、飲め」
俺の好きな酎ハイを渡してきた。
「ありがとうございます」
俺はそれを受け取り、開けた。
先輩も自分が好きなやつを開けた。
「乾杯」
「乾杯」
男2人で飲む酒。
先輩からしたら不服かも知れないが、俺は嬉しかった。
「あふぅ…」
トイレから出ると、先輩が全裸で大の字になっていた。
「風邪引きますよ」
「大丈夫。てかさぁ、今日、ヤれると思ってた」
あぁ…こういう話になるか。
「まじでさぁ、最近溜まってんだよ」
先輩が自分でチンコを軽く揉んだ。
「そうなんですか」
俺はなるべく見ないようにした。
今ならヤれるかも、と思ってしまったから。
「マルちゃんよぉ…」
「なんですか?」
「お前、可愛い顔してるよな」
「っ!」
いきなりの発言に、思わず口に含んだ酒を吹きそうになってしまった。
「俺を口説いて何する気ですか」
「マルちゃんとエッチする」
甘えた声を出す先輩を可愛いと思ってしまった。