俺の名前はソウタ。俺にはずっと片思いをしている人がいた。
バイト先の居酒屋で働く二つ年上の先輩で、名前はコウさん。
とても爽やかなイケメンで、水泳をやってるみたいでスタイルもよく、
頼れる先輩、お兄さんって感じのその外見に俺は一目ぼれ。
性格も優しくて面白くて、時には厳しく叱ってくれて大好きだった。
所詮、いつもの片思いで何事もなく終わるだろうなぁと思っていたら、
今回は違った。バイトが9時くらいに終わって裏口から出ようとしたときだった。
「なぁ、ソウター。お前、明日休み?」
「は、はい!」
「じゃあ、俺も今日はこれで上がりだから、うちで飲まない?」
急なお誘いに驚きながらも、俺は嬉しすぎて即答オッケーした。
「ははは、じゃあ、表で待ってて。すぐ行くから」
そういって腕まくりをしながらホールに戻っていったコウ先輩の後姿は、
俺にとっては色気たっぷりで、変態ながら一人興奮していた。
15分くらいすると、お待たせと言いながらコウ先輩が出てきた。
いえ、全然!と言いながら駅へと歩いた。
俺とコウ先輩の家は同じ方向で、二駅しか離れていなかった。
いつも一緒にあがるときは一緒に帰っていたが、飲んだりしたことはなかった。
「今日は他に誰か来るんですか?」
バイト先でコウ先輩を慕っている子は凄く多い。
特に女の子の中には、コウ先輩目当てで入ってくることもあるくらいだ。
「いやー?誰か呼んだほうがいい?」
なんて聞いてくるもんだから、俺は全力で拒んだ。
「ははは。そんな拒否らなくても」
先輩は一人で笑っていた。そんな姿もカッコいい。
先輩のうちの最寄駅について、近くのコンビニで酒とつまみを買った。
家に着くと、先輩の部屋は綺麗に片付いていた。
ほのかなお香の香りが漂ったそこは、居るだけでドキドキしてしまう。
「き、きれいですね」
なぜか一人で緊張しているアホな自分に、
「もしかしたら、今日飲めるかなぁと思って片付けた」
と真面目に返してくる先輩。
バイトで身体がべたべたしてるからと、先輩はシャワーを先に浴びて、
俺もお言葉に甘えて借りた。
戻ってくると、テーブルにはもう準備されて、さっそくスタート。
ここまでの流れに目の前で脱ぐ先輩の裸や下着など色々な誘惑はあったが、
半ば諦めていた俺は、エロいこととかは全く期待していなかった。
ところが、その夜は思いもよらぬ展開になった。