人目を避けるよう新宿の裏道をすり抜けて、あっという間に慶一君のアパートへと着いた。
家の中に入り玄関扉を閉めるなり、突然俺を抱き寄せてきた。
「ちょ、ちょっと!?」
逞しい肉体の感触と汗と香水の混ざった香り。
それに追い討ちをかけるかのように、
「もう、我慢できないです」
彼の囁くような熱い吐息が耳に掛かり、荒々しくも優しいキスをしてきた。
クチュクチュといやらしい音と共に、慶一君は俺の五感を刺激する。
「はっ、んっ……。まっ、ちょっと待った!」
俺は朦朧とする意識から自分をひき戻して彼を押し退けた。
彼の熱く潤んだ瞳を直視できず、うつむきながら、
「シャワー……浴びたい」
俺が言うと、彼はにやりと笑って「はいっ!」と返事をする。
二人で狭い洗面所に入り、彼は手際よく服を脱いでいく。
露になる慶一君の裸体に、俺の心臓が壊れるんじゃないかと思うほど高鳴った。
「そんなエッチな顔で見とれてないで、早く入りますよぉ」
「な、なっ!」
意地悪そうにそんなこと言ってきた俺は言葉に詰っていると、まるで子供のように俺の服を脱がすのを手伝ってきた。
「早く早くっ」
嬉しそうにして俺を脱がし終えると、そのまま手を引っ張られバスルームへと連れて行かれる。
「ちょ、何でそんな……」
俺がどこか文句を言いたげにすると、
「だって、やっと気持ち良いことできると思って」
と言ってキスをしてきた。
ぐいっと腰を引き寄せられたかと思うと、彼の下半身はすでに隆々としている。
そして彼のそれが俺の内腿の間にするりと入り、俺の裏側を刺激した。
「んっ……」
蛇口を捻るとちょっと冷たい水が出て、すぐに温かいお湯へと切り替わった。
身体に掛かるシャワーの刺激と、彼からの刺激で俺もすぐに興奮してしまった。
慶一君はボディーソープを手に取り、自分の身体と俺の身体に擦り付けてくる。
「じ、自分でできるからっ」
俺はくすぐったくて身をよじると、駄目です!と言いながら手を止めない。
一通り全身に塗りたくられたと思ったら、今度はまた抱き寄せられ、身体と身体を擦り合わされた。
「う、うぁっ……」
押し寄せる快感に腰が砕け落ちるほどだった。
それを察するかのように、彼は俺の腰を力強く抱きかかえる。
俺と彼の下半身がぬるぬると快感を求めるかのようにして動く。
「き、気持ち良いですか……?」
俺は返事ができないほどの快感でうめくことしかできない。
彼の鍛えられた胸や腹筋は、俺の肌をごつごつと刺激する。
目の前には超絶な男前が、これまた快感で恍惚とした表情で俺を見つめる。
「ま、待って。そんなにされたら、俺……」
「ふふ、駄目ですよ。まだ……」
絶頂をむかえさせてくれない彼は、意地悪く笑う。
「今日、俺のこと何回もエロい目で見てましたよね?」
俺は一瞬、何を言ってるんだと思ったがすぐにハッとした。
「全部気づいてましたよ?」
その一言に、顔から火が出るほど赤面してしまった。
恥ずかしすぎて逃げようとしたら、
「逃がしませんよ。今日は思う存分、気持ちよくなって貰います」
そういって慶一君は俺を強く抱き寄せ、深いキスをしてきた。
(こ、この男っ……!)
俺は男のプライドとしてムッとなりながら、押し寄せる快感にあっという間に流されてしまった。
くちゅくちゅとイヤらしい音がバスルームに響く。
俺の下半身はもう痛いくらい硬くなっていた。
慶一君はそっと先端に触れてくる。
「すごい、もうこんなに……」
「んっ、はっ……」
俺の先端から少し溢れたものぬるぬると弄りながら刺激する。
「俺のも、ほら……」
見ると、彼のモノも見事なほど主張していた。
時折、ぴくんと反応する。
俺は思わずを生唾を飲み込んだ。
「どうしたんですか?したいこと、して良いですよ?」
言いながら俺のモノと二つあわせて擦り合わせてくる。
そのゆらゆらと揺れる腰つきと擦れる先端の快楽に耐えるようにして、
俺は彼にしがみ付きキスを交わした。
「慶一君……っ。んっ、」
「積極的っすね」
ふふ、と笑いながら言う彼はとてもエロく、カッコよかった……。
濡れた裸体がキラキラ光る。
小麦色の素肌はすべすべとしてさわり心地がよく、鍛えられたその肉体は、とても美味しそうだ。
たまらず彼の胸板に口付けようとしたその瞬間、
「続きはベッドでしましょう」
「うっ……」
俺はおあずけを食らったことに名残惜しくも離れ、そそくさと体を洗い流した。